中国・越境ECの雄「Aliexpress」で見つけた自転車パーツを買ったらヤマトで届いた!

■ポチッたあとに判明したことが…

▲MIXED デュアルカラー MTBステム

私は趣味でマウンテンバイクに乗っています。キャリアは18年以上になるでしょうか。キャリアが少々長いだけのポンコツホビーライダーです。

自転車の魅力は、自分好みにカスタマイズできること。他の乗り物に比べ、パーツの交換や修理が比較的容易です。車検があるわけでもありませんから、気軽に手を加えられます。もちろん自己責任で、ですが。

工具を揃え、ネットで交換方法を調べ、失敗したり、壊したりしながら経験を得ていく。その過程もまるっと楽しんでいます。他の趣味でもそうですが、多少苦労することで、使用するアイテムに愛着が湧くのではないかと思います。

今回購入したパーツは、ハンドルとフロントフォークを繋ぐステムです。現在使用しているマウンテンバイクのステム長を変更したくて購入しました。

▲選んだのはチェリー&ゴールド

まず目を引くのはこの美しいグラデーションのデュアルカラーアルマイト。ですが、一番の買いの決めては32mmという極短のステム長でした。

これまで50mmのステムを装着していましたが、フレームのリーチ長が若干長いように感じていたので交換を検討していました。しかし国内で販売されている極短のステムは、35mmのものばかり。35mmでも恐らく問題ないのですが、ちょっと変わったものがないか探していたところ、アリエクで見つけたのがMIXEDなるブランドのこのステムでした。

最初はそのバイカラーの面白さからクリックしたのですが、突き出し32mmという数値を見てびっくり。これは試してみたいな、と思ったわけです。

● ステム材料: アルミニウム合金6061 t6
● ネジ材質: tc4チタン
● ハンドルバークランプ ø: 31.8mm or 35mm
● ステアリング直径: 1 1/8" (28.6mm)
● ステムの長さ: 32mm
● ステム角度: +/-0 °
● スタック高さ: 40mm
● 総重量: 120g ± 5g
● 最大トルク: 5 nm

ポチッた後にわかったことですが、日本国内のパーツ等を販売する輸入代理店に、全く同じスペックでほぼ同じデザインのものが、輸入代理店のプライベートブランドから発売されていました。これ、海外通販あるあるです(笑)。

ただ、そちらはカラーリングがブラックのみ。このアイテムに目を留めたのはカラーリングの美しさだったのでいいのですが…、こんなこともあるので海外に発注する前に国内も見ておくことは大事です。

そしてポチッてから1週間で到着!

これはかなり早い。しかも、ヤマト運輸で到着しました。アリエクで小物を発注すると大抵はEMS(国際スピード郵便)で届きます。EMSだと早くても10日〜2週間くらいかかります。アリエクで購入した商品がヤマトさんで届いたのは初めてかも。

ちなみに、アリエクで購入するほとんどの物は、商品をエアキャップ(ぷちぷち)等の緩衝材で包んだものがビニール袋に入った状態で送られてきます。ダンボールで届くことはほとんどありません。防水、防汚を兼ねた簡易的な梱包が一般的です。

なので、アイテムが入っている箱の角が潰れるなどは当たり前。最初の頃は酷い梱包だなぁ〜と思うこともありましたが、今は全く気になりません(笑)。中身が壊れてなくて良かった! と逆に安心するくらいです。海外通販で梱包に過度な期待はしてはいけません。こればっかりは慣れるしかないですね。遠くから届くのですから、中身が壊れなければ御の字です。

実際に到着したアイテムですが、削りは結構いい感じ。CNCフライス盤で削り出されたボディは細かなところに至るまで手が入っています。若干の粗さはありますが、ネジ受けもスムーズで削りの精度は高い模様。

しかも付属するボルトはチタン製! 軽い、丈夫、腐食しづらいチタン合金製のボルトが採用されています。実用上、チタンである必要性をそれほど感じませんが、ちょっとうれしい。ボルトに施された陽極処理もキレイです。あえてなのか虹色にしないことろがクールです。

突き出し32mmのステムを付けるのは初めてですが、とにかく薄い。ハンドルを受ける部分やフォークのコラムを受ける部分は構造的に肉厚になっていますが、それ以外は非常に薄く削り込まれています。重量は120g前後と非常に軽量。およそ100mmくらいのカーボンステムと同じくらいの重量になります。

最大の特徴であるデュアルカラーですが、アルマイトメッキで表現されています。塗料を吹き付ける塗装とは異なり、電極を付けた対象物を電解液の中に浸し、電気分解によって対象に酸化被膜を形成するものです。塗装に比べ皮膜を薄くできます。

そのため、電極を付けた部分には酸化被膜が付きません。ハンドルクランプの内側にその痕が確認できます。恐らく最初にゴールドのアルマイトを施し、後からピンク色が付くの電解液に半分だけ浸してアルマイト処理したものと思われます。

ものすごく手間がかかっていますね。

ハンドルをステムに固定する方法は、近年増えているトップ側を隙間なく締め付けて下側に隙間が空くタイプ。下側のボルトは5N(ニュートン)で締め付ければOK。トルク管理がしやすいシンプルなものですね。

普段使っているお気に入りのハンドルバーが31.8mmだったのでシム付きを購入しました。デフォルトのハンドルクランプ径は35mmのようです。シムは樹脂製で3Dプリンターで作られています。購入前に付けたいハンドルバーの径はノギスで測って調べておきましょう。

なお、アリエクのチャットですが、日本語で入力しても読み手側では中国語に自動翻訳される機能があるようです。こちらが英語で質問しても、ショップ側からはちょっとカタコトの日本語で帰ってくることが多いんです。

英語で返してくるところも時々ありますが、稀な気がします。なので、分からないことがあれば、気軽に日本語でショップにチャットしてみましょう。ただし、日本語ではよくやる主語を省くような書き方ではなく、「私は、〇〇だと思う」「あなたは、〇〇をできますか?」のような書き方をするとスマートに翻訳されるようです。

ということで実際に自転車に装着。

ステムの突き出しが18mm減ったことで、ハンドルが近くなりました。よりダイレクトでクイックなハンドル操作が期待できます。そして、なかなかセクシーな色合い。

実はこれ、2022年の7月頃に購入したのですが、価格と送料はこんな感じでした。
円安なのでめちゃくちゃ安いとは思いませんが、品物自体は出来がいいし、自分が狙っていたスペックを充分に満たしていたので問題ありません。何より、このカラーリングはまだ日本では見かけないし、個人的に気に入っています。

今回はオフィシャルストアで購入したからか、とても対応が素早かったように思います。アリエクでは同じものが若干の価格違いでたくさん販売されています。どれを選ぶかはユーザー次第ですが、できるだけオフィシャルストアを探して購入することをオススメします。理由はやはり信頼性。ブランドに傷がつくようなことを、彼らも望んでいません。可能な限りの対応をしてくれます。

そして、海外通販を楽しむ上で一つ大切な心持ちがあります。それは、相手とイーブンの関係であること。

「お客様だから」みたいな態度は良くありません。きっと不快な気分を味わうことになります。仮にあまり品質の良くないものを掴まされても、話のネタにできるくらいの心の広さが必要です。冗談のように聞こえるかも知れませんが、これ割とマジです。

*  *  *

円安真っ只中の今、海外通販なんてあまり賢いことではないのは分かっていますが、買うまでいかなくても、為替相場が変わるまでいったんウォッチリストに入れておいて、買いたいものを悩んだり探したりするのも海外通販の楽しみですよ。

※ここで紹介した製品の価格や仕様は、記事の内容と変わることがあります

 

<取材・文/GOL>

GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。

 

 

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