【ルノー トゥインゴ MT試乗】71馬力でも走りは元気!愛玩したい不思議なクルマ

現行のトゥインゴは、メルセデス・ベンツ発のスマート「フォーフォー」とプラットフォームを共有する、リアエンジンのコンパクトカー。3世代目にして、初の5ドアボディとなりました。

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

日本に輸入されるトゥインゴは、大きく分けて2種類。897ccの直3ターボ(90馬力/13.8kg-m)を積む6AT車と、今回ラインナップに加わった、998cc+5速MTのモデルです。

グレード構成は、これまでの「インテンス キャンバストップ」(199万円)、「インテンス」(189万円)にプラスして、新顔のゼン(AT/MT)がボトムレンジを支えるようになりました。

そしてちょっと驚くのが、全グレードとも200万円を切っていること。ルノー・ジャポンとしては、これまで輸入車に縁が薄かった地方(都市部以外)のユーザーにも、積極的にトゥインゴの購入を検討して欲しいところ。れっきとした“ガイシャ”ながら、見た目の攻撃性がごく低いトゥインゴですから、ご近所の目が厳しい田舎でも(失礼!)、けっこう大丈夫なんじゃないでしょうか。

さて、新しく加わったゼン。廉価版ということで気になる装備ですが、こちらもよく考えられています。外観面で上位のインテンスと異なるのは、ホイールがアルミ製ではなくスチール製ホイール+ホイールカバーになること(タイヤサイズは同じです)。ボディサイド下部の樹脂製プロテクターにクロームモールが付かないこと。これくらいです。

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

内装面では、エアコンがフルオートからマニュアル式になり、ヘッドライトのオート機能が省略され、ワイパーが雨滴感応式でなくなること。まあ、ここらへんは、運転者が自分で操作すれば済むことです。バックソナーやオーディオのウーハー、前席サイドウインドウ上のサングラス入れも、ゼンには装着されません。

一方で、ツートンカラーのインテリアやシートなどは、インテンスのそれらを踏襲します。ドライバーズシートにはシートリフターが付きますし、助手席の背もたれが前に倒れる機構、分割可倒式のリアシートなども、上位グレードと同じです。

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

うれしいのは、ボトムレンジとはいえ、ステアリングホイールがそっけないウレタン製ではなく、ちゃんと革巻きタイプがおごられること。運転中、必ず握っているものですから、コレって、大事なポイントですよね!

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

加えて、乱れた挙動を正すESCや緊急ブレーキアシスト(EBA)、万が一の際に作動する前席エアバッグ&サイドエアバッグ、後席のチャイルドシート用アンカーといった安全装備に関しては、一切、省略はありません。

こう書いていくと、うーん「どうしてもキャンバストップじゃなきゃ、イヤ!」という人以外、ゼンを選ばない理由がないような気もいたします。「どうしてもMTじゃなきゃ、イヤ!」という人は、必然的にゼン(5MT)になるわけですし…。

そのMTモデルに試乗することができました。可愛い顔して、落ち着いた走り。そんなドライブフィールは、ATモデルと変わりません。オシリが重いRR(リアエンジン/リア駆動)モデルなので、軽快感は希薄です。一方で、駆動力の干渉がない、スムーズで軽いステアリングフィールが印象的。一般的な前輪駆動のFFコンパクトに乗り慣れた人には、新鮮な感覚でしょう。

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

960kgという1トンを切った車重に、最高出力71馬力、最大トルク9.3kg-mのアウトプットですから、とびきりスポーティ!…というわけにはいきません。いわゆる、過不足ない動力性能。3気筒エンジンをブン回すと、1速で55km/h、2速で95km/h前後までカバーします。まぁ、標準的なギヤ比ですね。トゥインゴ ゼンのMTモデルは、良くも悪くも、実用的なフレンチハッチなのです。

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

トゥインゴで面白いのは、スマートフォンの機能を積極的に使おうとしていること。ダッシュボードにクレードル(オプション)を装着し、「R&GO」というアプリケーションをインストールしたスマホ(iOSでもAndroidでも対応)を取り付ければ、ナビ、オーディオとして活用できるほか、車両情報を表示することも可能です。トゥインゴ ゼン(MT)にはタコメーター(回転計)が備わりませんが、実は、スマホがタコメーター代わりになるんです!

ルノー トゥインゴ ゼン 5MT

トゥインゴには、単なるボトムレンジモデルではない、新しい試みのプラットフォームモデルといった魅力があります。単なる実用コンパクトの枠に収まらない、存在自体の楽しさがあります。なんというか、愛玩の対象になるような、不思議なクルマなのです。もしかしたら、今後、日本各地で“トゥインゴ・ファンクラブ”が自然発生するかもしれませんね!?

<SPECIFICATIONS>
☆ゼン(5MT)
ボディサイズ:L3620×W1650×H1545mm
車重:960kg
駆動方式:RR
エンジン:998cc 直列3気筒 DOHC
トランスミッション:5速MT
最高出力:71馬力/6000回転
最大トルク:9.3kg-m/2850回転
価格:171万円

(文&写真/ダン・アオキ)


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