【フーテンの寅みやげ】BEAMSディレクターが推す青森の木工品「BUNACO」

●日本全国を仕事で飛び回るBEAMS JAPANの名物ディレクター・鈴木修司さん。尊敬してやまない『男はつらいよ』の寅さんのように、年の1/3は旅の空という鈴木さんが、旅先で見つけた「フーテンの寅みやげ」を紹介します。

今回の旅先は、青森県は津軽地方の弘前とその近郊です。旅の目的は、『BUNACO(ブナコ)』さんの製作現場を訪ねるためでした。

 

『BUNACO』の西目屋工場。ランプシェードもブナコ

“ブナコ”とは、名前の通りに薄くスライスした“橅(ぶな)”を素材にして、それをコイル状に巻き込み、その後に手作業で成形してつくる、世界でもここにしかない木工品です。

弘前市内に第一工場があるのですが、訪れたのは白神山地にほど近い西目屋村にある第二工場。ここでは工場見学と制作体験もできるのです。

 

西目屋村は、世界自然遺産・白神山地に近いこともあって、とても自然豊かな場所。工場は、元・小学校。陽の入りも風の通りも良く、こんな素敵な環境だからこそ、素晴らしい製品ができるんだろうな、と想像してしまいました。

 

熟練の職人さんによる成形技術も見せてもらいました

ブナコは、元は津軽地方で盛んな漆器の素地として考案されたそうですが、今となってはまったくの別物で、唯一無二の表情や質感がとても魅力的な木工品です。

昔は、水分が多く含むブナは変形しやすく加工も面倒なので、材料としてほとんど使われることがなかったようです。しかし、70年ほど前に画期的な技術が開発され、その応用によって極力無駄を出さないエコな品々が生まれたといいます。

 

製作体験で作ったブナコ

製作も体験させてもらったのですが、まずまずの出来栄えでした。

西目屋工場はとても気持ちの良い場所で、体験はもちろん、ショッピングもできるので、ぜひとも訪れてほしい場所です。

そんな私も体験が楽し過ぎて夢中になってしまったのですが、本来の目的は新商品の相談でした。実は今、ビームスジャパンでは、提灯型のブナコ照明の開発に関わらせていただいています。手前味噌ですが、これはかなり自信を持ってオススメできる逸品です。

ブナコだからこそ表現できる柔らかな曲線と質感が特長で、点灯した光がブナを通ることで、なんとも儚げに周辺を照らしてくれるのです(その写真がなく残念です)。

 

前置きが長くなってしまいましたが、こちらを今回の旅の土産として推薦させてください。USB電源なので、いろんな場面で使いやすく、海外へのお土産にも良いと思います。

 

■弘前の魅力もご紹介!

言わずとしれた“前川國男”設計の弘前市庁舎

ついでに弘前の街もご紹介しておきましょう。

弘前市内には日本を代表する建築家“前川國男”が手がけた建築物が8つも存在しており、近代建築に興味ある方にはたまらないエリアです。しかもその多くが現役で使用され、一般開放されています。弘前市庁舎はもちろん、弘前市民会館、弘前市立博物館は訪問しやすいのでオススメです。

 

弘前の蕎麦の名店『高砂』(青森県弘前市親方町1-2)

それと、かつて津軽藩の中心地だったこともあって、特徴的な文化と歴史を街中から感じられます。とくに工芸と食のレベルが高く、個人的にオススメなのが『高砂』という蕎麦屋さん。津軽塗のテーブルで、味も品も良いお蕎麦をいただくことが出来ます。お店の造りや雰囲気、調度品、接客までも、すべてが“津軽らしさ”に満ちており、最高です。

 

弘前の喫茶の名店『可否屋 葡瑠満』(青森県弘前市下白銀町17-39)

そして、弘前で忘れてはならないのは、やっぱり“りんご”。日本屈指のりんご産地である津軽地方、その中心の弘前に来たなら、りんごをいただかないわけにはいきません。

個人的にオススメなのはアップルパイですが、市内にはアップルパイの名店が目白押し。今回訪れたのは、名店のひとつ『可否屋 葡瑠満(かうひいや ぶるまん)』さん。弘前を旅する機会があればぜひ訪れて、美味しいコーヒーと一緒に食べてみてほしいです。

 

近郊のりんご畑は見ているだけで癒されます

これから、ますますりんごの美味しい季節になるので、津軽地方の旅には最適です。ブナコ、りんごに限らず、豊かな自然の恵みと津軽の文化を感じてみてください。

 

●著者プロフィール

鈴木修司|BEAMS JAPANクリエイティブディレクター。三重県松阪市生まれ。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトを発掘。大学などで講師を務めることも。著書に『銘品のススメ』、監修書籍に『都道府県おでかけ図鑑』などがある。

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