トラック&バスの「いすゞ自動車」が、かつて“日本一攻めた乗用車”を作っていた!?いすゞの名乗用車5選

トラックやバスといった大型商用車に特化した自動車メーカー、いすゞ自動車。

「プロユースの自動車メーカー」として認識される方は多いと思いますが、実は1960年代から1990年まで、日本の自動車史を語る上で欠かすことができない乗用車をいくつも世に送り出しました。そして、そのモデルたちは他の自動車メーカーでは実現しにくいメチャクチャ攻めた、カッコ良いものばかりでもありました。

ここではかつて存在した、いすゞ自動車の乗用車のうち、特に際立つ「名車」を5つピックアップしてご紹介します。

■コンセプト・機構のすべてが「先」を行っていた「和製アルファロメオ」――ベレット(19631973年)

▲1963年発売の初代ベレット(当時のカタログより)

 

1960年代の日本は高度経済成長を背景に、「一家に一台」のマイカーブームが巻き起こりつつありました。その時代を先読みし、いすゞ自動車が世に放った乗用車が1963年に初代が発売されたベレットです。

技術者主導で当時のいすゞ自動車の独自機構がふんだんに取り入れられ、他の自動車メーカーにはない性能、デザインで「和製アルファロメオ」の異名をとったことでも知られる名車です。

▲「免許を取り立ての奥様・お嬢様でも運転が思いのままです」の触れ込みでした(当時のカタログより)

 

▲スポーツモデルとして1964年に発売されたベレット1600GT(画像:いすゞ自動車)

 

いち早く多様化するニーズに対応するためシート、ミッション、ハンドブレーキなどの組み合わせをユーザーが自分で選択できるシステムを採用。また、初代発売の翌年1964年には、日本初の「GT」を冠したベレット1600GTをリリース。高性能車として大いに注目を集め、レースなどでも活躍したモデルでした。

ただし、いすゞ自動車の乗用車の多くがフルモデルチェンジの機会を得られなかったこともあり、ベレットシリーズの個性的なデザインはやがて「前時代的」として捉えられ、やがて販売数は低迷。1973年の自動車排出ガス規制を受け、生産終了に至ります。

それでもいすゞ自動車が、本気で大衆車・スポーツ車開発に取り組んだモデルとして、今なおコアな支持を得続け、現在の中古車価格はおおむね300〜500万円と高騰傾向を続けています。

【次ページ】個性的なクルマが多かった、いすゞの乗用車

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