チェキが発売される以前は、インスタントカメラといえばポラロイドでした。それこそ「ポラを撮る」のように代名詞的存在でもありました。
撮ってすぐに見られる写真はその後、デジカメの誕生で当たり前のことになり、今や常に持ち歩くスマホがその役割を担っています。
ではポラロイドは廃れたのかというと、ちゃんと今でも残っています。むしろ写真のインスタント化が高度に進んだ現代だからこそ、フィジカルなフィルムですぐに見られるインスタントカメラの存在価値は高まっているのかもしれません。
現行ポラロイドのコンパクトモデルであるGOシリーズの最新作「Polaroid Go Generation 3」(1万6880円)が6月5日に発売されました。小さな、まるでおもちゃのようなカメラの使い心地はどうなのか。そして縦6.6×横5.4cmという小さなフィルムで切り取る世界はどんなものなのでしょうか。フォトグラファーの田中利幸さんが前後編に分けてレポートします。
前編となる今回はカメラについてです。
監修・執筆:田中利幸(たなかとしゆき)|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている。
【趣味カメラの世界 #38】
Polaroid Go Generation 3を初めて見たとき、最初に思ったのは「小さい」ということでした。
そして実際に手に取ってみると、その次に浮かんだのは「なんだかおもちゃみたい」という感想です。
今回試したのはパープルのモデル。手の中に収まる小さなサイズに、ポップなカラーリング。持ってみてもかなり軽く、いわゆる高級カメラのような重厚感はありません。
でも、このカメラに関しては、その“おもちゃ感”がむしろ魅力なのだと思います。
カメラって、どちらかといえば「かっこいい」とか「スタイリッシュ」といった方向のデザインが多いように感じます。そんな中で、素直に「かわいい」と思えるカメラは意外と貴重な存在です。コロンと丸みがあって、愛嬌のあるシルエット。手のひらに載せると、その小ささがより際立ちます。

そして、何より人が持ったときの見え方がいい。
実際にモデルに構えてもらうと、カメラそのもののサイズ感や色がよく映えます。顔の前に持っても大きく見えず、レンズを向けられても大きなカメラと違って身構える必要もありません。
■操作も驚くほどシンプル
見た目だけでなく、使い方もかなりシンプルです。

最近のカメラは、ボタンやダイヤルが多く、メニューの中にもさまざまな設定項目があります。撮影スタイルに合わせて細かくカスタマイズできるのは便利ですが、初めてカメラに触れる人にとっては少しとっつきにくさを感じることもあると思います。
その点、Polaroid Go Generation 3は、驚くほど割り切っています。

フィルムを入れて、構えて、シャッターを押す。
基本的にはそれだけです。
ボタン類も少なく、機能も必要なものに絞られているため、操作に迷う場面はあまりありませんでした。高機能なカメラを使っていると、撮る前に露出やピント、画質設定など、ついさまざまなことを考えてしまいます。
しかしこのカメラには、そうしたことを深く考えずに「とりあえず撮ってみよう」と思わせてくれる気軽さがあります。

フィルムパックにも、ポラロイドらしいレインボーカラーがあしらわれています。
カメラ本体だけでなく、こうした細かなところまで遊び心があり、フィルムを装填する行為まで、どこかおもちゃで遊んでいるような楽しさがあります。
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