◾️効率化とは対極にあるこだわりのビールづくり
▲工場内にある巨大な濾過槽(左)と煮沸釜(右)。煮沸釜は麦汁を煮沸する際、ホップ由来の苦味や香りを付与する役目も担う
次に、冒頭で説明してくれた浅野さんに案内され、工場内部へと進みます。麦芽の殻を取り除く巨大な濾過槽や煮沸釜などを見学しながら、マスターズドリームの製造工程を丁寧に解説していただきました。
▲工場に展示されている書道家・武田双雲さん直筆の作品。パッケージデザインにも使用されている
印象的だったのは「ここまで手間をかけるのか」という驚きです。中でもマスターズドリームを支えるのが「フロアモルティング麦芽」「銅炊き仕込み」「トリプルデコクション製法」という、3つの伝統的な製法です。
「フロアモルティング麦芽」とは、床に広げた大麦を発芽させ、人の手で攪拌しながら育てる伝統的な製麦法で、極めて手間のかかる製法だといいます。サントリーではその価値を改めて検証し、この工程によって生まれる複雑なタンパク質の構造が、味わいの奥行きや立体感につながることを確認できたのだそう。
また、仕込みには独自の「銅炊き仕込み」を採用。伝統的な銅釜による直火加熱を研究し、麦の豊かな香ばしさやコクを引き出しながら、余計な焦げ感を抑える製法を確立したといいます。
そして「トリプルデコクション製法」。麦汁の一部を取り出して加熱し、再び戻す工程を3回繰り返すことで、濃厚で芳醇な麦の旨みを徹底的に引き出すことが可能に。
これらは、通常のビールづくりでは省かれることも多い工程だそうですが、マスターズドリームではあえて時間と手間をかけることで、理想のビールを目指しているのです。
◾️樽熟成のためだけのベースビールを設計
▲山崎蒸溜所で使われなくなった原酒樽を熟成に使用している
そんなマスターズドリームを、さらに特別な存在へ押し上げているのが原酒樽熟成シリーズです。実は「山崎原酒樽熟成2026」は、通常のマスターズドリームを単に樽に詰めて寝かせたわけではありません。世界中の樽熟成ビールの研究を重ね、ウイスキー部門のブレンダーとも議論を交わしながら、樽熟成によって最も魅力が引き出される専用のマスターズドリームを一から開発したのです。
「樽にも個体差があります。だからこそ醸造家たちは毎日状態を確認し、香りと味のピークを見極めながら熟成を見守っているのです」(浅野さん)
◾️山崎の樽がもたらす重厚な熟成香と溢れる余韻
もはや「こだわり」という言葉すら軽く思えるほど、強い情熱が注ぎ込まれた夢のビール。一体どんな味わいなのか、試飲させていただきました。
▲サーバーから注がれた通常のマスターズドリーム
まず試飲したのが通常のマスターズドリーム。スムーズな口当たりの後、柔らかな苦味や奥深いコク、さらに甘みや熟成香が広がるのを感じます。まさに「多重奏で、濃密。」という表現がぴったり! その後に続くのが、「もうひと口飲みたい」と思わせてくれる上質な余韻。「旨い!」思わず言葉がこぼれてしまいました。
▲グラスに注がれた瞬間から樽熟成ならではの芳醇な香りが漂う「山崎原酒樽熟成2026」
そしてお待ちかねの「山崎原酒樽熟成2026」の登場です。グラスに顔を近づけてみると、「これが本当にビール?」と思わず感じるほどの樽熟成由来の芳醇な香りが! 口に含むと濃密なモルト感に加え、樽熟成由来の甘く深い香りが重なっているのが分かります。後半には、山崎の原酒樽熟成由来の重厚な熟成香がゆっくりと顔をのぞかせ、それが豊かな余韻へとつながっていきます。ビールでここまで複雑かつ繊細な味わいを表現できるのか! と、正直驚きました。
ちなみにアルコール度数は8.5%。喉越しを楽しむというより、グラスを傾けながらゆっくりと香りと味わいを堪能したい。そう思わせてくれる極上の一杯でした。
▲通常の「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」(350ml)と「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉2026」(715ml)。希望小売価格6,000円(税別)
ビールにおけるまったく新しい価値を体験させてくれる「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉2026」は11月10日から一部のECチャネルで数量限定発売。
「醸造家の夢」が詰まったビールを自分へのご褒美や、特別な日の1杯として味わってみてはいかがでしょうか。
サントリー「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」
>>ホームページ
<撮影・文/室井康裕>
- 1
- 2



























