ロードスターだけじゃない!名車アタリ年「1989年」を振り返る

■マツダ ロードスター ~ライトウェイトオープンの魅力を世界に再確認させた立役者

デビュー時の正式名称はユーノスロードスター。マツダは1989年から販売チャンネルを5系統に増やします。その中でユーノスはプレミアムブランドの役割を担いました。ユーノスロードスターは1989年9月に登場。かつてヨーロッパを中心に人気があったFRの2シーターライトウェイトオープンスポーツ。しかしその栄光は'80年代には影をひそめ、ハイパワー車やコンパクトなFF1.5BOXが主流になっていました。そんな時代にマツダは再び、クルマと一体になって走る心地良さを世に示そうとしたのです。

NAロードスターが登場したとき、世界の自動車メーカーは「売れるわけない」と鼻で笑ったと言います。それはそうです。かつて自分たちが一時代を築いたものの、その流れが完全に廃れて誰も見向きもしなくなったカテゴリーなのですから。ところが登場するやいなや、NAロードスターは納車まで半年以上かかるほどのバックオーダーを抱えることに。もちろん海外でも大ヒット。これに慌てたのは他の自動車メーカーです。マツダが切り開いたブルーオーシャンに競合車を投入すべく大急ぎでクルマを開発。これにより生まれがのがメルセデス・ベンツSLK、BMW Z3、ポルシェボクスターなどです。

▲1990年8月に追加されたVスペシャルのインテリアはタンの本革とウッドステアリングに

NAロードスターが搭載した1.6Lエンジンは最高出力120ps、最大トルク14.0kg-mと、決してハイパワーなものではありません。でもこれを高回転まで回し背中からぐいぐい押されるような感覚を味わいながら走るのはとても気持ちよく、まさに“人馬一体”という言葉がふさわしいものでした。また当時の若者は、自分のクルマを手に入れて女の子とデートすることに憧れたもの。ホンダプレリュードや日産シルビアなど「デートカー」と呼ばれるカテゴリーに、NAロードスターも入ることになります。

▲NAロードスターには限定車も多い。写真は1991年12月に300台限定で発売されたM2 1001

NAロードスターはデビュー時から乗り続けているオーナーが多くいると同時に、免許を取ったけれど今どきのクルマはどうもしっくりこないという若者が乗ったりもしています。専門店で話を聞くと、最近はAT限定免許を取得する人も多いので、MTだけでなくATの需要も高いそうです。

2017年9月現在の中古車価格帯は40万~190万円で、全国で約240台が流通しています。マツダがレストアプランを実施することを発表したこともあり、NAロードスターはこれからも多くの人に愛されながら長く残るクルマになるのではないでしょうか。

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