一生履ける国産ビジネスシューズ5足【2018夏 安くて良いもの主義】

■すっきりとした印象を持つシャープなプレーントゥ

WFG×ペルフェット
「プレーントゥ」(3万9960円)

日本で唯一ピッティ・ウオモに出店している実力メーカー、ペルフェットとWFGのダブルネーム。イタリア産の牛革を使った、2アイレットのシャープなフォルムが特徴。

▲晴れの日はもちろん、雨の日にも活躍するビブラム社製ラバーソールモデル。歩きやすく耐久性が高い

▲イギリス靴はアイレットが奇数のものが多いが、あえて2アイレットにしてシャープな印象を持たせた

【日高さんのオススメポイント】

ラバーソールで履きやすく、価格も手ごろな自信作です
ペルフェットのレギュラー商品と同じ作りなのに価格は手ごろ。ラバーソールで履きやすくビジネスに有効です。3年かけて作りました。

 

■手の込んだ細かな意匠のクラシックで上品な一足

ミヤギコウギョウ
「クォーターブローグ」(5万9400円)

山形の人気シューメーカーが手がけた、非常にクラシックな作りのクォーターブローグ。仏アノネイ社の高品質レザーを使い、手の込んだステッチワークで上品に仕上げている。

▲靴の内側が直線的なインサイドストレートのフォルムが特徴。クラシックな靴に見られるフォルムだ

▲ウェルトの出し縫いのステッチなど、意匠が細かくエレガント。ステッチは細かいほど上品とされる

【日高さんのオススメポイント】

エレガントさを表現したディテールワークが魅力!
ブローギング(飾り穴)やピンキング(コバのギザギザ)を非常に細かく作っているのが特徴。また馴染むと素晴らしい履き心地ですよ!

 

■ドレス感のあるエレガントなストレートチップの注目作

オリエンタル
「ストレートチップ」(5万9400円)

奈良の老舗メーカーによるストレートチップ。イギリスにルーツを持ちながら、シャープなスタイルの靴を数多く手がけている。本作のアッパーには仏アノネイ社のレザーを使用。

▲つま先がシャープで、ウエストを絞ったフォルムが特徴。ヒールも小さくエレガントでドレッシー

▲奈良の有名タンナーが手がけた鹿革をライニングに使用。そのため足当たりが柔らかく履き心地抜群

【日高さんのオススメポイント】

非常にシャープな作りでフォーマルな印象を持つ
ヒールは小さいほどドレッシーになります。この靴はとにかくシャープ。横から見ると非常に華奢で、フォーマルな印象を持つ一足です。

 

■個性的なデザイン・革使いで、色気を感じさせるセミグローブ

ペルフェット
「セミグローブ」(5万5080円)

伊ゾンタ社の高級皮革をアッパーに採用したセミグローブ。底材にもイタリアの底材専門メーカーの革を使用するなどこだわり満載。修理して10年、20年と履ける作りも魅力だ。

▲ハトメまわりの縫い目が、アデレードと呼ばれる竪琴のような形状で、この部分が鋭角な点も特徴

▲ムラ感のあるアンティーク仕上げのアッパーがエレガントな印象を与える。色気のあるデザインが◎

【日高さんのオススメポイント】

確かな作りと色気のあるデザインが印象的な一足
ブリティッシュな靴には見られない意匠が満載で、非常に色気のあるデザイン・革使いが魅力です。堅牢な作りも見逃せません!

 

■ローファー構造で履きやすく、良心価格のベストセラーモデル

オリエンタル
「シングルモンク」(39800円)

国産のボックスカーフを使用したシングルモンクシューズ。構造としてはローファータイプのため履きやすく、汎用性の高さとリーズナブルな価格設定からベストセラーを誇る。

▲モンクストラップは穴の位置を固定しておいて、ローファーのように履く。履き口が広く足入れしやすい

▲ソールのステッチがむき出しに。通常は伏せ縫いだが、こういった手間を省いて価格を抑えている

【日高さんのオススメポイント】

3万円台の靴としてはかなり出来が良く人気です
イギリスでは昔からあるデザインですが、モンクストラップが付いているためローファーに見えず、ビジネスにも対応できるため大人気!

 

■リビルディングに対応できる日本製はより長く履けます

「コストパフォーマンスで選ぶなら、靴底の修理ができて長く履けるグッドイヤー・ウェルテッド製法の靴がおすすめです」 このように話すのは、ワールドフットウェアギャラリー(以下、WFG)のディレクターを務める日高竜介さん。

「革靴のアッパーとソール部分の接合方法のひとつに、ウェルテッド製法があります。これはアッパーとインソール、そしてウェルト(細い帯状の革)を、すくい縫いと出し縫いで接合する高い技術を要する製法です。履き始めこそ硬く感じますが、そのうち自分の足型にぴったりと馴染んで、ストレスのない素晴らしい履き心地が楽しめます。手縫いのものをハンドソーン・ウェルテッド製法、ミシン縫いのことをグッドイヤー・ウェルテッド製法と呼びます」

手縫いのものよりミシン縫いのほうが比較的お手頃で、10万円も出せば一生モノの靴が買えるという。そんな中、日高さんが注目しているのが “国産”のグッドイヤー・シューズだ。

「グッドイヤーのメリットは、アッパーさえ問題なければ何度でも繰り返しリペアして履けること。それでも3回ほどソールを張り替えるとウェルトがダメになる。そうなったら修理には木型を使い、リペアではなく靴を再構築(リビルディング)する必要があります。リビルディングは1万7000円前後で、まるで新品のように靴がよみがえります。インポートの靴は木型が海外にあったり、修理できない場合もあったりするので、国産のグッドイヤー・シューズがおすすめなんです。修理して履き続けられるため、安価な靴を履き捨てるよりもずっと経済的。履き心地も全然違うので、ぜひ良い靴を長く愛用してほしいですね」

 

ワールド フットウェア ギャラリー ディレクター・日高竜介さん

都内に3店舗を展開するレザーシューズ専門店・ワールド フットウェア ギャラリーのディレクター。革靴について深い造詣があり、業界では御意見番として知られている。

 

 

本記事の内容はGoodsPress8.9月合併号44-45ページに掲載されています

 

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(構成・取材・文/津田昌宏 写真/野町修平<APT>)

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