PILOTが導いてきた日本の筆記文化【ニッポン発の傑作モノ】

■History of PILOT

1918(大正7)年
パイロットの前身並木製作所を創立

▲創業者の並木良輔が並木製作所を創立し、純国産万年筆を製造開始。写真は製品第一号パイロットペン

 

1926(昭和元)年
ラッカナイト技法を考案し蒔絵万年筆の製造が可能に

▲万年筆の軸に漆を塗ることで劣化に強くするラッカナイト技法を考案。蒔絵万年筆の製造を可能にした

 

1927(昭和2)年
シャープペンシルの製造販売を開始

 

1930(昭和5)年
ダンヒル社と欧州での販売代理店契約

▲蒔絵が施された「ダンヒル・ナミキ万年筆」がロンドン・パリなどで発売

 

1955(昭和30)年
「パイロットスーパー万年」筆発売

▲繊細な書き味と斬新なデザインにより国内外で人気を得た「パイロットスーパー万年筆」

 

1961(昭和36)年
高級ボールペンを発売

▲これまでに同社が高級万年筆の開発で培った技術を活かした高級ボールペンを製造販売

 

1963(昭和38)年
「キャップレス」を発売

▲キャップのない万年筆「キャップレス」を発売。ノブを回すとペン先が繰り出す回転式

 

1968(昭和43)年
「エリートS」を発売

▲ショートタイプの万年筆「エリートS」を発売。大橋巨泉のCM効果もあり、大ヒットとなる

 

1976(昭和51)年
水性ボールペンを発売

▲かすれにくく、軽くてくっきりとした筆跡が特徴の水性ボールペンの販売を開始

 

1977(昭和52)年
多機能ボールペンを発売

▲ボールペン黒・赤・シャープペンシルの3機能が1本になった多機能筆記具を発売する

 

1980(昭和55)年
「ハイテックポイント」を発売

▲ステンレスパイプチップによる水性ボールペン「ハイテックポイント」

 

1991(平成3)年
「ドクターグリップ」を発売

▲無理なく握れる軸径を採用し首肩腕への負担を軽減するボールペン「ドクターグリップ」

 

2006(平成18)年
「フリクションボール」を発売

▲書いた文字をペン後部のラバーでこするとキレイに消せるボールペン

 

■美しさと書き味の良さを両立させる筆記ブランド

パイロット創業者・並木良輔は1916年に、万年筆の書き味を決めるとも言える“金ペン(金の合金で作られたペン先)”の製造に日本で初めて成功した。そして1918年には、パイロットの前身である並木製作所を設立。純国産万年筆を作り出している。 1926年には、万年筆の軸材の劣化を防ぐために、漆を使うことを思いつくと、その後、伝統工芸である蒔絵を施した万年筆を発想。

高い耐久性と美しさを兼ね備えた蒔絵万年筆は、今でも「NAMIKI」ブランドを中心に受け継がれている。日本にもボールペンが普及し始めた1961年には、パイロットも高級ボールペンを発売。以降は、ボールペンでもエポックな製品をたびたび輩出している。中でも、筆記時の疲れを軽減する筆記具「ドクターグリップ」や、文字が消せるボールペン「フリクション」シリーズは、文具に興味がない人でも1度は使ったことがあるはず。もちろん万年筆も進化させ続けている。

1963年の「キャップレス」は気軽に使える万年筆として人気を博し、今では多彩なラインナップを揃える。万年筆、シャープペンやボールペンなどの形式に関わらず、書き味と利便性、扱いやすさ、それに筆記具としての美しさを両立させるのが、パイロットの得意とするところ。創業100年を超える老舗文具メーカーが、どんな製品を繰り出してくれるか今から楽しみだ。

【次ページ】PILOTの最新モデル

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