ケッチ、ジスペケ、ペケジェーetc バイクの略称どれだけ覚えてる?

■サンマがわかる人はヤマハマニア

▲1980年式「XJ400」

ペケジェー(あるいはペケジェイ)は「X」をペケと呼ぶ流れから「XJ400」のこと。ヤマハ初の400ccDOHC4気筒エンジンを搭載し、1980年に発売されました。その後、1984年にはエンジンが水冷化された「XJ400Z」に進化しますが、1993年には再び空冷エンジンを搭載した「XJR400」が登場するという不思議な来歴を持っています。ちなみに「XJR400」はペケジェーアールとも呼ばれましたが、ペケジェーと呼び続ける人のほうが多かった印象があります。

▲1980年式「RZ250」

2ストを得意とするヤマハの歴史的名車といえば「RZ250」。このモデルには排気量が350ccの兄貴分「RZ350」も存在しました。“ナナハンキラー”とも呼ばれるほどの速さを誇ったこのモデル、250と区別するためサンパンと呼ばれていました。排気量を表しただけの呼び名ですが、サンパンといえばRZを意味してしまうのは、このマシンのインパクトの大きさゆえでしょう。

▲1990年式「TZR250」(3MA)

サンマと言われてモデル名がわかる人はかなりのマニア。これ、ユニークな“後方排気”レイアウトを採用した1989〜1990年式「TZR250」のことなんです。由来は同モデルの3MAという型式名称。毎年のようにモデルチェンジされることもあって、モデル名より型式で呼ぶことが流行ったレプリカブームがあったからこその愛称といえます。

 

■ホンダの愛称といえばやっぱりヨンフォア

▲1974年式「DREAM CB400FOUR」

ホンダで真っ先に思い浮かぶのはヨンフォアこと「CB400FOUR」(正式名称はDREAM CB400FOUR)でしょう。400ccで4気筒であることを表すわかりやすい呼称。1974年に408ccの排気量で発売されますが、1975年から排気量400cc以下の中型免許制度が始まったため、その後398ccモデルが追加されたのは有名な話です。ちなみに先代モデルである「CB350FOUR」にヨンフォアの外装を付けたカスタムはバケヨンなんて呼ばれ方をすることもありました。

▲2019年式「CB400 SUPER FOUR」(特別仕様車)

スーフォアと呼ばれたのは「CB400 SUPER FOUR」。1992年に初代モデルが発売され、1999年にはHYPER VTEC(低回転では2バルブ、高回転では4バルブとなる機構)を搭載したエンジンに進化。現在もラインナップされているロングセラーモデルです。教習車にも採用されているので、乗ったことがある人も多いはず。

▲2004年式「CBR1000RR」

ホンダのレーサーレプリカの中で、羨望の意味も込められた略称で呼ばれたのはCBRシリーズの中でも「RR」が付くモデル。「CBR250RR」はニダボ、「CBR400RR」はヨンダボ、「CBR1000RR」はセンダボと呼ばれました。ただ、この呼称はレプリカブームの真っ最中ではなく、もう少し後になってから一般的になったような印象があります。レプリカブームの頃はMC22など、型式で呼ぶことのほうが多かったのと、「CBR1000RR」が発売されたのは2004年になってからだからです。ちなみにCBRシリーズの最新モデルは発売されたばかりの「CBR1000RR-R」。「R」がさらに1つ増えていますが、このマシンは何と呼ばれるようになるのでしょうか?

*  *  *

バイクの略称は、同じ車種でも地域や時代によってさまざまです。今回取り上げたものは、名車を中心に有名だった略称の一部になります。自分の住んでいた地域ではこんな呼び方をしていた、仲間内ではこう呼んでいた、みたいなものが誰しもあるのではないでしょうか。車名にアルファベットと数字の組み合わせが多いバイクだからこその文化なのかもしれませんね。

 


[関連記事]
最速はいつもNSRだった!レーサーレプリカの系譜①<ホンダ編>

高機能&高品質な最新大人ホビー19選【趣味時間 最新モノ案内】

魅力は積載力だけじゃない!経済的で遊びにもガンガン使える商用車 6選


文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする

関連するキーワード