グレー重ね塗り&線塗りで特徴的な質感を再現!【達人のプラモ術<SR-71Aブラックバード>】

■グレーを重ねて質感を出す

今回のメインである機体塗装では、3色のグレーを重ねることでSR-71の特徴的な高速飛行による熱焼けの質感を再現していきます。

使用するのはタミヤ製ラッカー。「LP-27ジャーマングレー」(以下GG)、「LP-65ラバーブラック」(以下RB)、そしてRBとGBに混ぜるカラーとして「LP-5セミグロスブラック」(以下SB)を使いますが、これは直接は使用しません。つまり黒は塗っていないということです。

またキットの繊細な凹モールドを潰さないために、下塗りのサーフェイサーは塗装していません。塗装はまずGGで機体全体を塗装して、RBをベースにSBを調色して明→暗といったトーンの違うグレーをエアブラシで塗り重ねて質感を再現しています。

▲機体の基本パーツとなる円錐状のマッハコーン、垂直尾翼、エンジンノズル。これらパーツはすべて機体と同色で塗装する

▲キャノピーは窓部分をマスキングして機体に取り付けておく

▲サーフェイサーによる下地塗装をしないかわりにタミヤラッカーのLP-27(ジャーマングレー)をベースカラーとして機体全体を塗装

▲ジャーマングレーで塗り上げが完了した機体

▲エンジンのアフターバーナーはエナメルのスミ入れ塗料の黒で塗装することでディテールを強調できる

 

■塗装のコツは線で色を描くこと

グレーを重ねて塗装する際にベタに面塗装してしまうと、グレーは隠ぺい力が強いため下地を塗りつぶしてしまいます。面塗りではなく、エアブラシの細吹きで線を描くように塗り重ねることで、SR-71の特徴でもある熱焼けによる質感を表現できます。

▲ジャーマングレーで塗装した機体にラバーブラックをパネルラインに沿って、エアブラシの細吹きで色を吹き機体のパネルごとにコントラストをつけていく

▲今回使用したカラー。ジャーマングレーをベース色として、ラバーブラックで塗装の質感を描いていく。セミグロスブラックをラバーブラックに加え明→暗とトーンの違うグレーを3色自作する

▲実機写真を参考にしながらラバーブラックとセミグロスブラックを混色して自作したグレーで機体に濃淡のコントラストをつけていく

▲機体のパネルラインに沿って、エアブラシの細吹きで、機体のパネルラインに沿って、矢印の方向に線を描くように塗装していく。この際に敢えてムラになるように意識して塗装していく

▲ラバーブラックと自作したグレー2色を使い、熱で退色したグラデーションの効いた質感を再現した状態

▲塗装が完了したのち、リアルタッチマーカーのグレー2を使いパネルラインにスミ入れをする

▲機体の左側がリアルタッチマーカーでのスミ入れをした状態。入れていない右側に比べディテールが際だっているのが分かる

▲垂直尾翼やマッハコーンといった機体パーツも個々に塗装

▲塗装とスミ入れが完了、キャノピーのマスキングテープはまだ剥がしていないが、用意したディスプレイスタンドに仮組みした状態。実機のイメージを再現したリアルな質感に仕上がった。先にも書いたように機体の塗装には黒は使っていない

*  *  *

塗装は、実機のリアルを再現するためのものですが、今回は1/144のSR-71としてのリアルさ、模型的に見栄えがする(要するにカッコ良い)塗装を心がけて仕上げてみました。次回はデカールを貼りと、ディスプレイスタンドを使ってのデスクトップモデル仕上げを紹介していきます。お楽しみに!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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