「日本文具大賞」2017年のグランプリは“ハサミ”と“道具箱”!

■ISOT会場で日本文具大賞を発表

東京ビッグサイトでは、7月5日~7日にかけて「第28回 国際文具・紙製品展 ISOT」が開催されました。初日の5日には日本最大の文具アワード「第26回 日本文具大賞」の表彰式が執り行われました。「日本文具大賞」は1年間で発表された新製品のなかから、機能面、デザイン面で特に優れた文具に贈られる賞。受賞製品はテレビ番組や20以上の雑誌や新聞に取り上げられているとあり、注目度の高い式典となりました。

すでに機能部門から5製品、デザイン部門から5製品が優秀賞に選ばれており、表彰式当日には、機能部門とデザイン部門から、それぞれ1製品がグランプリが選ばれました。ここでは、グランプリ製品の表彰式の様子と、実際の製品の見どころを紹介します。

 

■機能部門グランプリはカール事務器「エクスシザース」

機能部門のグランプリは、カール事務器の「エクスシザース」が受賞しました。モノを切るのではなく、切り“落とす”をコンセプトに開発された本製品。グランプリ受賞を受け、代表取締役の玉山隆三氏は、同社の製品開発について「切ることを極限まで突き詰めたら何ができるか、という点を日夜考えている」と語りました。

▲「エクスシザース」について語る、カール事務器代表取締役の玉山隆三氏

そうした思いのなか開発された「エクスシザース」は、刃に厚さ3mmのステンレス鋼版を採用し、刃のどの部分を当てても物を切り“落とす”ことができるよう設計されています。また、文具であることを考慮し、ハサミ本体があまり大きくなり過ぎないようにしたそうです。

 

■実際の製品をチェック!

表彰式のあとに展示ブースを訪れ、実際の製品をチェックしてきました。一番注目したのは、表彰式でも語られた厚さ3mmの刃。職人が水研ぎによる刃付けを行っているため、圧倒的な裁断力が実現しました。

▲厚さ3mmのステンレス鋼版を採用した刃

また、ハンドルの末端まで鋼材が入っているのも特徴的。力を刃先まで伝達しやすいので、軽い力でモノを裁断できます。

▲ハンドルの末端まで鋼材が入っている

使いやすさの秘密はハンドルにも。ハンドルの外周はエラストマー単一素材で作られているため、指にかかる力が分散されます。事務作業で酷使しがちな指から、負担を軽減できるのもうれしいですね。なお、本製品は右手と左手、どちらでも使用可能です。参考価格は7560円。2018年の1月頃から発売されるとのことでした。

 

 

デザイン部門グランプリはぷんぷく堂「あなたの小道具箱」

デザイン部門のグランプリは、ぷんぷく堂の「あなたの小道具箱」が受賞しました。ぷんぷく堂は、2012年に千葉県市川市で“夜開いている文具店”としてスタート。店主の櫻井有紀氏が目利きした文房具を販売してきました。そんななか、「こんな文具があったらいいな」という思いからオリジナル製品の販売にも着手。「あなたの小道具箱」は、紙で作った道具箱を各文具メーカーが販売していないことに櫻井氏が着目し、誕生しました。

▲「あなたの小道具箱」について語るぷんぷく堂の櫻井有紀氏

道具箱の素材には、“50年は壊れない”と言われる硬質パルプパスコを使用。工場の職人がひとつひとつ手作りしています。これからのオリジナル製品について櫻井氏は、「作り手の顔が見える文具を作っていきたい」とも語りました。

 

■実際の製品をチェック!

「あなたの小道具箱」はきいろ、あか、あお、みどりの4色を用意。身の周りにあるちょっとしたものをしまうことができます。実際手に取って思ったことは、日常用品を“宝箱”のような道具箱にしまうことでプレシャス感が得られる、という点でした。身近なものを整理整頓するだけでなく、これまで以上に大切に感じることができそうです。

▲ハガキ大の大きさのものを収納できる

▲細部に至るまで、職人がひとつひとつ手作り

硬質パルプパスコを使用しているため、中身をしっかり守れます。自分だけの“宝物”をしまうのに重宝しそうです。販売価格は2592円。ぷんぷく堂の店頭では、うわぶたと中箱の色を選んで購入することも可能です。

>> ぷんぷく堂

 


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(取材・文/神戸紅実子

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かんべくみこ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」に所属。”平成生まれ昭和育ち”ながら、スマホやアプリに関する記事を若者文化に乗り遅れまいと執筆中。東横線ユーザーだが、ときどき中央線沿線にも出没する。

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