【もうすぐ出ますよ!注目の日本車⑨】上質なスタイリッシュセダンが日本初登場!レクサス「ES」

■すっきりと奥深いスポーティな走りを実現

ブランド発足時から存在し、まさにレクサスの歴史を築いてきた基幹モデルともいうべきESですが、実はここ日本では、あまり馴染みのない車名かもしれません。でも「ウィンダム」として発売されていたと聞くと、がぜん親しみを覚える人も多いのでは? かつてLSがトヨタ「セルシオ」だったように、ESも、2世代目から4世代目まで、ウィンダムとして日本でも販売されていたのです。

レクサスの現行セダンの中で、唯一FF(前輪駆動)レイアウトを採用するES。その新型を目にして真っ先に感じるのは、エクステリアデザインが格段にシャープになっていること。

新たに“GA-Kプラットフォーム”を採用し、低重心かつワイド&ローなプロポーションを実現。フロントピラーは後方に配置され、リアピラーも傾斜を強めることで、引き締まったキャビンシルエットになっています。これにより、クラストップレベルの空力性能と、広く快適な室内空間の両立に成功。鋭利に折り返すフレーム形状と、波紋のように縦にフィンを配した“スピンドルグリル”が、シャープな顔つきを際立たせています。

レクサス独自の、人間を中心とした空間コンセプトに基づき構築されたインテリアも、程よくドライバーを包み込み、ドライビングの高揚感を高めるとともに、乗る人がくつろげるゆとりある空間も両立。ディスプレイやスイッチなどは、操作時の視点移動が少ないレイアウトとし、運転に集中できるコクピットとしています。また、水平基調のインストルメントパネルは、ドアトリムまでつながって空間の広がりを表現しています。

新プラットフォームの採用は、走行性能の向上にもひと役買っています。高剛性化と低重心化を実現し、ダブルウィッシュボーン式リアサスペンションやジオメトリーの最適化と相まって、新世代のレクサスらしいスポーティな走りを実現。同時に、優れた操縦安定性も確保し、乗り心地を向上させています。

ラック平行式の電動パワーステアリングによってステアリングレスポンスも高められ、レクサスが「すっきりと奥深い」と表現する走りを実現。また、歴代のESで評価の高かった優れた静粛性についても、ノイズリダクションホイールや遮音性の高いアコースティックガラスなどの採用で、さらに向上させています。

パワートレーンは、2.5リッターの直列4気筒エンジンに、ハイブリッドシステムを組み合わせたもの。エンジンは、吸気効率の向上や燃焼室内の気流強化により、世界トップレベルの熱効率を実現し、動力性能と環境性能を両立しています。

レスポンスも優れたこのエンジンに、新型のトランスアクスルやPCU(パワーコントロールユニット)を採用することで、ハイブリッドならではの省燃費性能を確保したまま、ダイレクトな加速フィーリングを実現。ハイブリッド用のバッテリーは小型化した上でリアシート下に配置し、軽量化・低重心化を実現しただけでなく、十分なラゲッジスペース容量も拡大しています。

先進安全機能には、第2世代となる“Lexus Safety System+”を搭載。単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、夜間の歩行者や昼間の自転車なども検出可能となった“プリクラッシュセーフティ”や、高速道路で同一車線内の中央を走行できるよう操舵を支援する“レーントレーシングアシスト”に対応した高度運転支援機能“Lexus CoDrive”も備えています。そのほかにも、カメラで道路標識を読み取ってメーターとヘッドアップディスプレイ内に表示する“ロードサインアシスト”や、後退時に後方の歩行者を検知する機能など、細かな配慮にも抜かりはありません。

さらに新型ESには、スポーティさにさらに磨きをかけた“F SPORT”グレードも設定されています。

減衰力をきめ細かく制御する“リニアソレノイド式AVS”を採用したほか、車体前後にパフォーマンスダンパーを装着することで、ボディ剛性のバランスを向上。ドライバーの意思に忠実に反応するスポーティな走りを実現しています。

エクステリアやインテリアもF SPORT専用のものとされ、スピンドルグリルに“Fメッシュ”パターンを採用したほか、19インチアルミホイールやシート、ステアリング、メーターなどもスポーティさを強調した仕上げに。日本刀の仕上げ工程である“刃取(はどり)”に着想を得た専用アルミオーナメントパネルも設定され、日本刀の刃文をイメージさせた紋様が、いい雰囲気を醸し出しています。

歴代のESが評価されてきたのは“上質な快適性”。新型は、その部分をさらに磨き上げるとともに、スポーティな走りを実現するなど、多くの部分で相反すると思われる要素を両立した“二律双生”を実現しています。日本での発売は2018年秋頃の予定。セダンカテゴリーを牽引するモデルとして、レクサスファンならずとも気になる1台です。

(文/増谷茂樹 写真/トヨタ自動車)


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