VW「ザ・ビートル」の新顔は、往年の“バハ・バグ”みたいなワイルド仕様

その手があったか! 思わずうなったのは、車高をちょっとアップ(プラス15mm)したスタイリングを見た時。

ザ・ビートル デューン

カリフォルニア半島には広大な砂漠があります。また、西海岸沿いには延々とビーチが続いています。そういった砂の上をカッ飛ばすのは、今も昔も人気のレジャー。

そこを走るマシンとして、当時、ムシのようにブンブン走り回れる、モディファイしたバギー仕様のビートル=バハ・バグがモテモテでした。改造キットがたくさん出回って、リーズナブルに入手できたのも人気を加速させました。

その人気よ、もう一度! ってわけではないでしょうが、実は2000年のロサンゼルスモーターショーに、ザ・ビートル デューンのコンセプトモデルがお披露目されていました。

それは、先代に当たる「ニュー・ビートル」をベースにしたもの。結局、当時は市販化に至らなかったものの、きっとフォルクスワーゲンの社内では、機をうかがってアイデアを温めていたのかもしれません。

いまやフォルクスワーゲンのラインナップでも、SUVやクロスオーバースタイルのモデルが人気を集めているので、完璧に機が熟した、といえるのではないでしょうか。

ザ・ビートル デューンは、専用サスペンションの採用によって車高アップ。その量はプラス15mmと控えめですが、ホイールアーチなどにブラックのボディプロテクションを追加してワイルドなルックスに仕上げているのは、「クロスポロ」「クロスアップ」を始めとする、フォルクスワーゲンのクロス系モデルではお馴染みの手法。

ザ・ビートル デューン

これに、サンドストームイエローメタリックのボディカラーを組み合わせたことで、ビートルらしい鮮やかな印象を強めています。インテリアでも、ダッシュボードのデコレーションパネルなどに、このイエローメタリックのカラーをあしらっていますから、ドライバーズシートからの印象も鮮烈です。

ザ・ビートル デューン

ザ・ビートル デューン

パワートレインは、最大出力150馬力の1.4 TSI エンジンに、デュアルクラッチトランスミッションの7 速DSG という組み合わせ。アイドリングストップ機能やブレーキエネルギー回生システムも付いており、クルーズコントロールシステム、レインセンサー、自動防眩ルームミラー、フロントとリアのパークディスタンスコントロール、ヒルホルダー機能なども標準装備。充実した内容となっています。

繰り返しになりますが、これだけ個性的なモデルでありながら、お値段は321万9000円也。実に魅力的です。500台などアッという間に売り切れちゃうのではないでしょうか。

<SPECIFICATIONS>
☆ザ・ビートル デューン
ボディサイズ:L4285×W1825×H1510mm
駆動方式:FF
エンジン:1394cc 直4 ターボ
トランスミッション:7速AT
最高出力:150馬力/5000〜6000回転
最大トルク:25.5kg-m/1500〜3500回転
価格:321万9000円

(文/ブンタ)

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