え?写真をアルバムに貼ったままデータ化できるの?「Omoidori」

omoidoriの使い方は至ってシンプルです。本体にiPhoneをセットし、専用アプリを使ってアルバムの上にセットします。あとは、シャッターボタンを押すだけ。
Omoidori

 

ポイントは2つあり、ひとつはOmoidoriが写真を覆うことで、周囲に光の影響を受けない簡易の暗室を作り出すことが可能な点。もうひとつは、内部のLEDフラッシュが2方向から光ってスキャンする点です。
Omoidori
これにより、反射していない部分を瞬時に合成して、1枚のきれいな画像にしてくれます。

対応しているスマートフォンは、iPhone 6s/6/SE/5s/5に限定されており、Plusシリーズでは利用できません。使用するカメラの画素数により、仕上がりの写真の解像度にも差が出ます。Androidスマホに関しては、「今回の売れ行きを見て、アタッチメントを装着して使えるようにするなどの対応を検討する」とのことでした。

日付を認識し、2L版の合成にも対応!

日付が印字された写真であれば、スキャンの際に日付認識し、撮影日時やカメラの設定などが記録された「Exifデータ」を当時の日付情報に変更します。
Omoidori
そのため、昔の写真を時系列に並べて表示することができます。

Omoidoriは最大2L版までのスキャンに対応。L版の場合は一度シャッターボタンを押すだけですが、2L版に場合は写真を半分ずつスキャンし、重複した箇所を認識して1枚の画像に自動で合成します。家族で撮った集合写真など大判印刷した写真のデータ化も簡単です。

さらに、写真のサイズに合わせて自動でトリミングしたり、顔の向きを検出して写真の向きの補正もします。赤目に写ってしまった写真を補正する機能も備えているので、失敗写真を満足のいく写真にデータ化できるのも強みです。

スキャンしたデータをプリント&フォトブック化できる

Omoidoriのアプリには、オンラインでプリントやフォトブックをオーダーする機能もあります。
Omoidori

富士フイルムの印刷工場で作成し、自宅に宅配で届くサービスで、家族にプレゼントしたり、写真を作ってみたりと、さまざまな楽しみ方ができそうです。

スキャンしたデータはiPhoneの「写真」アプリ内に保存されるので、クラウドサービス上に保存したり、SNSやメールで共有することも可能。データ化しておき、帰省時などにテレビに映してみんなで鑑賞するのも良さそう。
Omoidori

折りたたみ時のサイズは幅112×奥行き32×高さ152mm、重さは310g。電源は単4電池2本なので、持ち運びやすいのが魅力です。

なぜ「Omoidori」を作ろうと思ったのか?

PFUはこれまでも「ScanSnap」など数々のスキャナを販売するメーカーでしたが、今回は「アルバム」に焦点を当てました。PFU取締執行役員専務の宮本研一氏が、約10年前に軽い気持ちで技術者のリーダーに「アルバム写真をデジタル化したいんだけど、簡単にできるよね?」と持ちかけたことがきかっけだったそうです。

それから数年、写真の表面で反射する光のコントロールが上手くいかずに、半ば諦めかけていたところで起きた東日本大震災により、開発の大きな転機を迎えます。「テレビから流れてくる、瓦礫のなかからアルバムを探す姿や、一時帰宅を許された人たちがまっさきにアルバムを持ち出す光景を見て、これはなんとかやり遂げたいと思い、もう一度チャンレンジしてほしいと頼んだ」と宮本氏は語りました。
Omoidori
2011年に商品化を本格的にスタートし、「世界に1冊の想い出を、手のひらに。」というキャッチコピーとともに、omoidoriは誕生しました。

 

販売店はPFU DIRECT、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ロフト、代官山蔦屋書店など、カメラを販売する実店舗やオンライン店舗を中心に展開。PFU DIRECTでの初回予約1000名は、非売品のケースももらえます。また、オプションとして、たわんだ写真をプレスしてスキャンできる「フォトプレッサー」(2700円)も販売します。

アナログな写真をiPhoneでデジタル化するOmoidori。家族みんなで想い出を振り返るのに役立つ”ほっこりガジェット”になりそうです!

 

(文/今西絢美

いまにしあやみ/エディター、ライター

いまにしあやみ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。

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