デジタルなのに音や香り?リアルなままごと「ままデジ」とは?

 

2016年6月15日、KDDI内にある”スマホの次”を発明する研究所「au 未来研究所」は、キリンをコラボレーションパートナーに迎え、次世代おままごとキット「ままデジ」のコンセプトモデルを発表しました。このコンセプトモデルはau 未来研究所発の第3弾モデルで、「自分たちが欲しい未来のプロダクトを自分たちでつくる」という目標のもと考えられています。

包丁で切る音や炒める音、さらには料理の香りも

「ままデジ」は、通信モジュールと5つのセンサーを内蔵したおままごとキットと、タブレットを連動することで、よりリアルな体験が楽しめます。

包丁で野菜や肉を切るときに「ザクッ」という音や、フライパンで食材を炒めるときの「ジュージュー」という動きに合わせた音は、本物さながらです。

さらに、料理が完成し、鍋のフタを開けるときには、湯気が出るだけでなく、実際の料理の香りがするという仕組みも。

これまでのおままごとが視覚だけだったのに対し、聴覚や嗅覚にも訴えかけてきます。

絵本を読む感覚で料理ができる

「ままデジ」のタブレットには、カレーを作る物語がプリインストールされています。ストーリーに沿って手順を進めていくだけで料理が完成するので、子どもだけでも遊べそうです。

また、ストーリーの途中には料理に関するクイズが出題されます。例えば、「スパイス発祥の国は?」というクイズに対し、「A.フランス B.インド」の選択肢から選べばOK。

発表会のゲストとして登場した3児のママである辻希美さんも「家族のコミュニケーションをとれる次世代のおもちゃ。これがあれば笑顔の絶えない家庭になりそうですね」と興味津々でした。

 

KDDIデジタルマーケティング部 部長 塚本陽一氏は、「普遍的なおままごとをよりリアルな料理体験にアップデートしているのが特徴。センサーが内蔵されており、タブレットやスマホとつながることでよりリアリティのあるおままごと体験ができる」と話しました。

KDDI株式会社デジタルマーケティング部 部長 塚本陽一氏

KDDIデジタルマーケティング部 部長 塚本陽一氏

キリン食生活文化研究所 平田憲太朗氏は、同社が調査した「親子のコミュニケーションと食」のアンケート結果をもとに、「親子一緒にできることに対する関心は高い。とくに、母親は食を通じてコミュニケーションを図ろうとしていることが多い」と話したうえで、それができていないと感じている人が多い現状を、「時間的な余裕がないこともあるが、心の余裕がないことも影響している」と分析。

キリン株式会社キリン食生活文化研究所 平田憲太朗氏

キリン食生活文化研究所 平田憲太朗氏

ままデジは、「親と子どもが一緒に五感を使って楽しく調理できるままごとツールになるだろう」と話しました。

製品化するかどうかは未定!?

ままデジは、昨年au 未来研究所が「KIDS AND FOODS」というテーマで開催したハッカソンから登場したアイデアです。おままごとをよりインタラクティブなものにすると同時に、「アニメや映画の中では食材が話したりするが、実際にそういうことができたら楽しそうだと思った」と、開発メンバーのだん皇子氏。

 

ままデジのハッカソンメンバー

「ままデジ」のハッカソンメンバー

 

発売や価格など詳細はすべて未定。塚田氏によると、「コンセプトモデルとして発表しているものすべてを製品化するわけではないが、5年先となると市場が変わるので、1〜2年内にやるべきだとは思っている」とのこと。

デバイス自体が通信に接続できてコンテンツをアップデートできるので、「キットを使いながらいろんな遊び方のできるコンテンツを提供できるのではないかと思っている」と今後の展開も語られました。

子どもはスマホやタブレットの使い方を覚えるのが早いので、「ままデジ」のように従来の遊びとガジェットを組み合わせたおもちゃは、これからの子ども達にとってはかなり身近な存在になるはず。デジタルを上手く活用しながら、家族のコミュニケーションを深めるいいきっかけになりそうです。

 

(文/今西絢美

 

いまにしあやみ/エディター、ライター

いまにしあやみ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。

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