イヤホン部分を交換可!? 個性極まる完全ワイヤレスFostex「TM2」【イヤホンレビュー】

■装着もケースもかなり特殊!

Fostex初の完全ワイヤレスイヤホンとなる「TM2」。通信部分には、音切れのしにくさに定評のある米クアルコム社の最新チップ “QCC3026”を搭載しています。また、標準で付いているイヤホンは、Fostex自社開発のドライバーが使われています。

重量は片側11gで、IPX5の防水と、意外と今どきのスペックです。

外見もかなり特徴的。イヤーフック付きのタイプで、フックはハンガーのように曲げられる“着脱式フレキシブル・ショート・ケーブル”の構造になっています。

では着けてみます。標準のFostex製ドライバーは、イヤホン自体では耳を支えません(イヤーピースはS/M/Lが付属)。フックを適当に耳にかけるような感じで着けるとちょっと落ちそう。

“着脱式フレキシブル・ショート・ケーブル”はぐにゃりと曲げられるので、耳に巻き付けてるように固定するのが正しい装着方法になります。正しく装着すると、ガッチリ安定しますよ。

本体にはタッチセンサーとマルチボタンが付いています。マルチボタンは再生/停止、曲送り/曲戻しなどに対応。そして、パッと見では気づきにくいのですが、“Fostex”のロゴが入っている平面全体がタッチセンサーになっています。上下のフリック操作が音量操作、2秒押しで早送りにも対応します。

そして付属ケースが、これまた癖があるんです。実はこれ、巨大な上にバッテリーを内蔵しない“充電クレイドル”なんです。このクレードルにケースにはめ込んでmicro USBケーブルを接続して充電します。

外出先でイヤホンにケースに入れて充電は、できません。えっ? と思うかもしれませんが、本体だけで連続再生10時間あるので、実用範囲内といったところでしょうか。

 

■イヤホンを変えた時の音質はいかに?

では気になる音質をチェックしていきましょう。

iPhoneとペアリングして、まずは付属のイヤホンで宇多田ヒカルの『あなた』から聴いてみると…。情報量、音の伸びやかさまで、ストレートに正統派の高音質。歌声も演奏の情報もゴリっとした低音も、すべてがフラットのままで鮮明。BrunoMarsの『24K Magic』を聴いても、誇張感なく正しくリズムを描写。このサウンド、正しさに突っ走っていて、かなりの高音質です。aptXコーデックで聴くと、音質には更に上がり幅があります。

音切れについても検証してみましたが、iPhoneと接続して新宿近辺や電車で数日テストした限りでは音切れはナシ。さすが、信頼のクアルコムQCC3026チップですね。

そして「TM2」ならではのカスタム要素もチェックしてみます。イヤホンのプラグ部分が着脱式になっていて、MMCXプラグのイヤホンと交換できます。

そこで、所有する有線イヤホンSHUREの「SE535」からイヤホン部分だけを外して交換してみると…。同じく『あなた』は情報量と共に密度感のある高音質サウンド、『24K Magic』も同じく空間のなかに音が漂うような包囲感を上手く出します。これはこれで、音のバリエーションとしてアリ。

付属イヤホンのデフォルト状態でも高音質なので、フツーに音質目当てでも推奨できます。

でもやっぱり、この製品に一番反応しているのは有線イヤホンに投資をしているポータブルオーディオファンではないでしょうか。SHUREのイヤホン持ってます! カスタムIEM所有してます! 手持ちのFitEarを完全ワイヤレスで活用したい! そんな人なら、このFostex「TM2」は確実に買い。その界隈ではスタンダードになりそうなモデルです。

>> Fostex「TM2」

 

>> [連載]イヤホンレビュー


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(取材・文/折原一也)

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