【マツダ新デミオ試乗】改良版ディーゼルで静かさと力強さ、さらにアップ!

デビューした年に「2014-2015 日本カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたデミオは、ディーゼルエンジン搭載モデルの販売比率(57%)がガソリン車のそれを上回る、わが国では希有なコンパクトカーでもあります。

今回の改良では、全モデルで電動パワステの応答性がアップ。ディーゼルモデルに関しては、エンジンがあまり回っていない状態でもアクセル操作に鋭敏に反応するよう“DE 精密過給制御”が採用され、さらに、ディーゼル仕様の上級グレード(「XDツーリング」「XDツーリング Lパッケージ」「XDブラックレザーリミテッド」)には、エンジンに“ナチュラル・サウンド・スムーザー”が搭載されました。

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“DE 精密過給制御”は、ドライバーがアクセルを操作する際の、ペダルを踏む速度をチェック。元気よく踏み込んだ時には「加速したいんだな」とクルマ側が判断して、早めに太いトルク(駆動力)を提供してくれる制御です。

“ナチュラル・サウンド・スムーザー”は面白い機構で、ピストンヘッドとコンロッドをつなぐピンの中に“ダイナミックダンパー(=ブルブル震えるパーツ)”を組み込んだもの。

ディーゼルエンジンが発生するノイズ(=ノック音)に逆位相の周波数の振動をブツけることで、ノイズを低減させます。ヘッドフォンなどでよく見られる“ノイズキャンセリング”機能のような働きをするもの、といえば分かりやすいでしょうか。

今回の試乗では、新メカを搭載したニューモデルと、走行距離8000kmほどの旧モデルが用意されていたので乗り比べてみたところ、ビックリ!

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新デミオでは出足のもたつきが解消され、スッキリとした走り。しかも、車内の静粛性があきらかに上がっている!! すでにディーゼル・デミオを購入している人には申し訳ないのですが、改良された最新モデルには、ひと皮剥けたフレッシュさがありました。

新旧の比較試乗は6速AT車で行ったのですが、別の時間帯にドライブした6速MT車では、改良版ディーゼルの良さをさらに実感。

最大トルクが22.4kg-m/1400〜3200回転と、6速AT車のそれ(25.5kg-m/1500〜2500回転)に比べて数値こそダウンしてますが、50kgほど軽いボディと相まって、実にスムーズかつ軽快に加速していくのです! サウンド面でも、耳障りなノイズが6速ATよりワンランク小さく、加減速を繰り返すようなシーンでの快適性は上々でした。

“DE 精密過給制御”“ナチュラル・サウンド・スムーザー”とも、マツダのコンパクトSUV「CX-3」で先行採用されていて、今回、デミオに横展開されたカタチです。マツダはこれからも「有効!」と判断すれば、新しい技術をどんどん既存のラインアップに投入していくといいます。頼もしい!

しかしそうなると…、どのタイミングで欲しいマツダ車を買えばいいのか!? 「欲しい時が、買い時」と割り切るしかないかもしれませんね。

<SPECIFICATIONS>
☆XDツーリング
ボディサイズ:L4060×W1695×H1550mm
車重:1220kg
駆動方式:4WD
エンジン:1498cc 直列4気筒 DOHC ディーゼルターボ
トランスミッション:6AT
エンジン最高出力:105馬力/4000回転
エンジン最大トルク:25.5kg-m/1500〜2500回転
価格:219万2400円

(文&写真/ダン・アオキ)

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