【スバル新XV試乗】魅力は不変!熟成が進み、ますますオススメできる1台に

新しいXVの顔付きが凛々しくなったのは、ひとつはヘッドランプのバルブがホワイト化されたから。また、グリルを横切るウイング状のパーツがシャープな形状になり、さらに、ヘッドランプ内やフロントバンパー下部の丸灯フォグランプ横に、L字状のメッキパーツが付くようになりました。先頃レポートした「フォレスター」のマイナーチェンジでも用いられた、ワンポイント作戦(!?)ですね。なかなか効果的です。

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従来から個性的なデザインだったアルミホイールにはさらに手が加えられ、5つの角を持つモチーフこそ同じながら、それぞれが少し“傾いて”、視覚的に動きが出ました。

ニッチ狙いの派生車種ところか、今やインプレッサシリーズの販売台数において4割を占めるまでになったXV(ハイブリッドモデルを含む)ですが、その個性的なボディカラーも、人気を押し上げた要因といえそうです。

“タンジェリンオレンジ・パール”はアクティブで華やか。“デザートカーキ”は、これまでありそうでなかった色で、かつてのプラモデル少年なら“オリーブドラブ”なんて単語を口にしそうな、ミリタリー調の色合いがシブい。

そして今回のマイナーチェンジを機に、“ハイパーブルー”、“ダークブルー・パール”の青系2色が追加されました。本格SUVたるフォレスターに対し、XVは“都市型SUV”を謳うモデルですから、ボディカラーは大事ですよね。

ドアを開けて車内に入れば、ピアノブラックのデコレーションパネルが新しい。シートやセンターコンソールなどには、ガソリン車はオレンジ、ハイブリッドモデルにはシルバーのステッチが施されるようになりました。できれば、ボディカラーに合わせたステッチを…というのは、贅沢に過ぎましょうか。

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走り始めると、意外に視点が高い! XVは、最低地上高がベースモデルであるインプレッサスポーツ比で55mm増しの、200mmになっています(車高は90mm高い1550mm)。しかし、カーブでグラリとして乗員を不安にさせる、なんてことはありません。

実は、今回のマイナーチェンジに先立つ1年ほど前に、前後サスペンションの設定が変更されたXV。コーナリング時に横からかかる力に強くなり、全体にしっかリ安定方向に変更されています。

…といっても、柔らかめの乗り心地、カーブで穏やかにロールする“XVらしさ”は健在。個人的には、アーバンSUVたるXVは、スバル得意の“スポーツ色”を少々薄めた方が、クルマのキャラクターにより合致する気がします(ちなみに、ステアリングギヤも他のインプレッサシリーズと合わせて若干クイックになっています)。

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さらに! XVのガソリン車は、先のフォレスターのマイナーチェンジと同様、運転支援システム“EyeSight(アイサイト)”がバージョン3に進化しました(ただし、ハイブリッドモデルはバージョン2のまま)。バックミラーの左右に設けられたステレオカメラの性能が上がり、監視する範囲、距離とも、40%アップ!

万一の際、衝突前にブレーキをかけてくれる“プリクラッシュブレーキ”、前走車との距離を保ったままクルージングする“全車速追従機能付クルーズコントロール”、車線をはみ出さない“アクティブレーンキープ”機能などの精度が、それぞれ上がりました。

また、フォレスターと同じく、アイサイト装着グレードには、より充実した安全装備“アドバンストセイフティパッケージ”が選べるようになりました。自車の死角にクルマがいる場合、ドアミラーのインジケーターや警告音でドライバーに注意を促す“スバルリアビークルディティション(後側方警戒支援システム)”。夜間のハイ/ロウビーム切り替えを、対向車や前走車を認識して自動的に行う“ハイビームアシスト”。そして、後続車のヘッドライトがまぶしくないよう調整する“自動防眩インナーミラー”が、このパッケージには含まれます。

ここで面白いのは、フォレスターの場合、ハイビーム/ロウビームの自動切り替え機能“アダプティブドライビングビーム”にアイサイト用のステレオカメラを使うのに対し、XVのハイビームアシストは、専用の単眼カメラを備えること。

それは、車種ごとに厳密なマッチングを追求するがゆえの“違い”なんです。いかにも生真面目なスバルらしい選択といえましょう。

そのほか、ボディの振動・騒音対策も施され、車内の静粛性もアップ。長距離ドライブもより快適にこなせます。

そろそろ“次世代インプレッサ”の声も聞こえてくるタイミング。それでもXVの魅力は、いささかも衰えません。むしろ熟成が進み、ますますオススメ度が増しています!

<SPECIFICATIONS>
☆2.0i-L アイサイト
ボディサイズ:L4450×W1780×H1550mm
車重:1410kg
駆動方式:4WD
エンジン:1995cc 水平対向4気筒 DOHC
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:150馬力/6200回転
エンジン最大トルク:20.0kg-m/4200回転
価格:259万2000円

(文&写真/ダン・アオキ)

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