【340i試乗】新しい6気筒は絶品!BMWの底力を実感するスポーツセダン

新しい直6ユニットの排気量は、2997cc。「アレッ!? 今までの6気筒と微妙に違う…」と気づいたアナタ、かなり“ビマー(BMW好き)”ですね! そう、従来の「335i」に搭載されていた6気筒エンジンの排気量は、2979ccでした。

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「タイプミスでは!?」と思われかねない小さな差ですが、決してささいな違いではない証拠として、エンジン形式が“N55B30A”から“B58B30A”に変わっています。うーん、マニアック!

新しいストレート6は、いわゆる新世代の“モジュラーエンジン”のひとつです。1気筒あたり(ほぼ)500ccをベースに、1.5リッター3気筒の“B38B15A”型、2リッター4気筒の“B48B20A”型/“B4B20B”型、そして、今回の340iに搭載される3リッター6気筒というファミリーで構成されています。もちろん、いずれもターボチャージャーで過給され、アウトプットの底上げが図られています。

1.5リッターの直3は、ハッチバックの「118i」に搭載されているエンジンで、日本仕様の3シリーズに積まれるのは、2リッターの直4からとなります。

ボリュームゾーンとなる2リッター直4には、2種類のユニットが用意されます。チューニングの違いで184馬力と252馬力のバージョンに分かれ、前者は「320i」(427万円〜)、後者は「330i」(622万円〜)に積まれます。320iはおろか、330iまで4気筒エンジンになるなんて、ホント、時代は変わったものですね!

…と、ちょっと感心するポイントがズレてしまいました。4気筒エンジンと比較すると、圧倒的に販売数が限られる6気筒エンジンを今回キチンと出してきたところに、バイエルン発動機=BMWの矜恃を感じます。

その点、BMW同様、新世代のモジュラーエンジンを投入してきたボルボの場合、4気筒にターボ、ターボ+スーパーチャージャー、そして、さらにモーターを加えて…と、“過給+アシスト”を積み増すことで、従来の6気筒、8気筒の代わりとしています。

BMWが今回、あえて新しいマルチシリンダーエンジンを開発した背景には、今後のさらなるパワーアップを見越し、基礎体力を整えておきたかったからでしょう。

新しい3リッター直6ターボの最高出力は、326馬力/5500回転、最大トルクは45.9kg-m/1380〜5000回転。従来の6気筒ターボは、それぞれ306馬力と40.8kg-mですから、20馬力と5.1kg-m、それぞれアウトプットが増大しています。

ちなみに、340の“40”とは、かつてならV8エンジン搭載車に与えられたネーミング。また、4リッターV8を積んだ先代「M3」は420馬力と40.8kg-mでしたから、340iの新しい3リッター過給エンジンは、少なくともトルクに限っては、ひとクラス大きな排気量を持つNA(自然吸気)8気筒を凌駕したことになります。

 ■文句の付けようがない絶品のスポーツセダン

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