Apple Watch Series 6に向いている人、SEに向いている人の見分け方

■常時表示ディスプレイの有無

同じく時計の見た目において重要な違いが、常時表示の対応の差です。Apple Watch Series 6は常時表示ディスプレイに対応していますが、SEは非対応。腕を下げている際にも、ウォッチフェイスを表示しておきたい人は、Series 6を選択しましょう。

▲「常時表示」対応機種では、スリープ時にも文字盤が表示されている(左下)

なお、Series 5と比べて、Series 6の常時表示は輝度が最大2.5倍に向上しています。実際に比べてみたところ、コンプリケーションに表示される小さな文字・記号などの視認性を維持できている点などが異なっていました。

 

■血中酸素ウェルネスやECGの有無

Series 6では、初搭載の「血中酸素ウェルネス」アプリや、Series 5から搭載された「ECG」機能(国内未提供)などに対応します。一方SEでは、こうした機能をサポートしていません。

想定される利用シーンが限られているため、こうした最新機能は別になくても構わないという場合には、SEを選んでも十分満足できると思います。

▲「血中酸素ウェルネス」アプリ(※現時点では血中酸素濃度として表示されているが、今後名称が変わるとのこと)では15秒間で血中酸素濃度を測定できる

実際に筆者がSeries 6を用いて、血中酸素ウェルネスアプリでの測定を行なってみたところ、平常時には99%や100%という数値が表示されました。運動後(6km/分のペースで5分程度のジョギング直後)に測定しても99%のまま。1分間弱、息を止めて苦しい状態で測定すると95%まで下がりました。

こうした数値の測定は、アプリで手動で実施できるほか、設定がオンになっていればバックグラウンドでも駆動します。特に、watchOS 7で登場した睡眠モード中にも測定が可能なので、睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックなどに使えるのでは?と筆者は推測しています。

 

■U1チップを搭載する

iPhone 11シリーズに搭載されたU1チップというものが、Series 6にのみ搭載されています。これは「UWB」という広い周波数帯域を用いる無線通信を可能とするもので、iPhoneでは端末を向けている方向にあるデバイスを、AirDropの共有先として優先的に表示する、といった機能に活用されています。現時点では活用される具体的な機能が限られているものですが、将来的に追加される新機能で重要になってくる可能性は大いにあるでしょう。

また、チップセットが関連する通信性能関連では、Series 6が2.4GHz・5GHzのデュアルバンドに対応しており、SEが2.4GHzのみに対応しているといった差もあります。

 

■最低価格はSEの方が1万円以上安い

Apple Watchシリーズの価格は、ケースやバンドの組み合わせによって変動しますが、Series 6の最低価格は4万2800円(税別、以下同)。SEでは2万9800円です。コストを重視する場合には、SEの方が1万3000円ほど安く入手可能です。

watchOS 7で追加された「ファミリー共有設定」の対象には、Series 6だけでなく、SE、さらにApple Watch Series 4以降のモデルも入っています。GPS + Cellularモデルで、キャリアが提供する通信サービスプランをウォッチごとに別途契約しなくてはならないという制約はありますが、iPhoneを持っていない人でもApple Watchを単体運用できるようになるため、見守り用途としての期待は高まります。

▲ファミリー共有設定に対応するプランは、日本では執筆時点においてauが提供中の「ウォッチナンバー」のみ。ただし、キャンペーンの割引を利用しないと、LTE対応のスマホを1台契約しているのと同じ料金(月額3150円〜)がかかってしまう点は留意しておきたい

通信プランの維持費がかかることになるので、少しでも端末代金を抑えるのが重要となるでしょう。その上で、SEは有効な選択肢になると思います。

* * *

以上のことから、基本的に、常時表示ディスプレイや豊富なカラーバリエーションに魅力を感じる人は「Apple Watch Series 6」を、そうでない人は「Apple Watch SE」を選んでおくのが良いと思います。最新機能の血中酸素ウェルネスや、日本未対応のECGの対応可否、U1チップの恩恵などは、まだそこまで深く考えなくてもよいでしょう。まずは気になるデザインを探してみてください。

>> Apple「Apple Watch Series 6」

<取材・文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

 

 

 

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