アナログだからこそ良く響く!ホイッスル付きの防災向きマルチツール

ホイッスルは、ハンドルの一番外側に配置されています。他のツールのようにハンドルの内側に収まっておらず、ハンドルから少しはみ出しています。

円筒形であることも理由のひとつですが、暗所であってもどれがホイッスルであるかを指で触っただけで分かる仕組みです。災害に遭う場所や時間は選べません。救助を待つ時にまわりが暗くても、ユーザーが取り出せるよう工夫されています。

ホイッスルは真鍮製。甲高い音を発します。高い音は遠くまで響くので、雨音などで音がかき消されてしまうような状況でも、自身の位置を救助隊に報せられます。また、災害時だけでなく、遭難時など誰かに見つけてほしい時にも役立ちます。

 

■切る仕事のツールは、ホイッスルの反対側

全12種類あるツールは、主に2カ所に別れて配置されていて、切る仕事をするためのツールであるナイフ、ノコギリ、波刃、ハサミ、缶切り等は、ホイッスルの反対側にあります。ホイッスルの位置が分かりやすいので、その反対側にナイフ類があると覚えていれば迷うことなくアクセスできます。

▲意外とよく切れるナイフ

さすが三条市のメーカーというか、この価格帯のマルチツールのナイフとしてはかなり切れ味が良い。製品パッケージには“本刃研ぎ仕様 バナジウムステンレス鋼”と書いてありましたが、ナイフの切れ味にはプライドがあるようです。切りにくい布地でもサクッと切れました。これだけの切れ味があれば、キャンプでの調理などでも使えるのではないでしょうか。

▲波刃ナイフ

波刃は滑りやすいロープやナイロンの紐を切るのに便利。荷造りなどで使用する紐を切るなど、日常で使うシーンの多いナイフです。

▲鋸刃ナイフ

ミニノコギリは細い枝や木っ端を切ることに適しています。角材などは切れません。切れ味自体は普通です。刃が細いので無理に力を入れず細かく刃を動かして使いましょう。

▲ハサミ

バネ板が付いているので繰り返し切る作業に適しています。家庭菜園のプチトマトの茎が切れるくらいの切れ味。紙や糸を切るには充分ですね。

▲プラスドライバー

ホイッスルがある側のメインツール。このようにハンドルがTバーになります。力が加えやすく締め込みやすかったですね。

▲穴開け

いわゆる錐(キリ)。レザーや帆布など厚手のファブリックに穴を開けられます。同じようなツールとして「紐通し」も装備しています。開けた穴に紐や糸を通し即席のレザークラフトなどを楽しめます。

▲爪とぎ

先端の鈎状のものは爪掃除用ですが、ウッドクラフトのケガキなどにも使えます。使い方は工夫次第。日常からちょっとしたDIYに。

▲アルミ製のカラビナが付属

カバンやリュックの内ポケットや鍵束に付けることで、探しやすく取り出しやすくなります。どんなに便利な防災用品でも、携帯しやすく、使いたい時にすぐ取り出せなければ役には立ちません。ただし、カラビナ自体は人の体重を支えられるようなモノではありません。

*  *  *

各ツールはハンドルから取り出す際、少し動きが渋かったのですが、何度か動かしていると気にならないくらいになりました。小さなボディなので各種ツールも小さく、ハンドルから取り出す際に使い難さを感じることはあると思います。

丸みを帯びた無垢のステンレスボディは、握り心地良好。シルクスクリーンのロゴなどはすぐに剥がれてしまうでしょうが、この滑らかなボディは愛着が湧くのではないでしょうか。

高価で精度に優れたマルチツールではありません。だからこそ、誰もが日頃から携帯し、身につけられます。いつ来るか分からない災害の備えとなるアイテムです。

9月1日の防災の日は、防災用品を整理、見直す日。防災食の賞味期限の確認や防災用品に不足が無いかなど、防災への意識を再確認する日です。毎日出来る防災への意識向上に、このマルチツールはお勧めです。

>> [連載]男前マルチツールの世界

<取材・文/GOL>

GOL|歯科技工士、ECディレクター、webライターまで幅広く活動しております。指先に伝わるハンドツールの質感や重さ、音などアナログな部分に惹かれて今に至ります。一番好きなのは懐中電灯。

 

 

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