無印良品の最新コーヒーメーカーはバリスタ並み!?その実力とは

まず試飲した結論から言うと、この味を毎日楽しめるのは贅沢極まりないという感想だ。「豆から挽けるコーヒーメーカー」は、その名の通りコーヒーミルとしての役割も持っており、こだわりの豆を手軽においしく楽しめる全自動マシン。とにかくプロが淹れるドリップコーヒーに魅了された池内さんは、その味を再現するべくコーヒー豆の選定・ミル・抽出温度・ドリップ方法などを模索した。

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▲開発にあたり、"世界最高品質のコーヒーを追求する”という株式会社ミカフェートのコーヒーハンター・川島良彰さんに協力を仰いだとのこと

 

1.豆を挽くためのミルについて

池内さん曰く、「プロが使用するミル方式は、コーヒー豆を均一に挽くことができるフラットカッターミル方式が基本で、挽かれたコーヒー豆のサイズがバラバラになってしまうブレードカッター方式は使用していません」とのこと。豆のサイズが均一でないと抽出した味も雑味が増えておいしくならないからだ。

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そこで開発には安定した粒子のコントロールが可能で、刃が取り外しやすく掃除しやすい“フラットカッターミル方式”を採用。ミル刃は新潟県小千谷市、組み立てを燕市で行い試行錯誤の結果、ダイヤルで5段階の挽き分けが可能な形になった。

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▲平面が凸凹になった一対の刃が、挟んだ豆を切るように挽く仕組み。細かさは固定刃と回転刃の間隔で調整している

2.プロのハンドドリップを再現する抽出温度

また、重要になってくるのは豆を抽出するお湯の温度。こちらもトライアンドエラーの結果、最もおいしいと感じた87℃で豆本来の味と香りを引き出すため、湯沸かしケトルの直下にヒーターを設置している。センサーで温度管理をする徹底ぶりで味を損なわない。

▲本体後部にある湯沸かしケトル本体

▲本体後部にある湯沸かしケトル本体

 

3.プロのバリスタが大事にする「蒸らし」と「斜めシャワー機能」

ドリップ前にお湯を少し注ぎ、30秒待つ「蒸らし」。ほとんどのバリスタが行う工程だが、豆に含まれるガスを抜くことで成分の抽出精度を上げる。ハンドドリップが趣味の方にはおなじみの瞬間で、ハンバーグにように豆が膨らむ姿にどこか達成感めいたものを感じる。それだけではなく、コーヒー豆の“土手”を崩さないため、注ぐお湯の方向までコントロールしているこだわりぶりに驚いた。

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なぜここまでこだわるのかというと、池内さんは「フィルターにお湯がかかると、豆から味を抽出せずに素通りしてしまいます。これでは意味がない。だから斜めにお湯を注ぐことでプロのハンドドリップ同様、しっかりと豆の成分を取り出せるんです」と言う。確かにお湯を注いだあとのドリッパー内部は、粉の壁が崩れずきれいな状態だった。

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▲フィルターがグシャっとならず、さらにお湯が中央部に注がれたことが分かる凹みも確認できた

 

4.選べる淹れ方

これまで紹介した機能性は「豆から挽けるコーヒーメーカー」全般についてだったが、もちろん全行程を毎回行う必要はない。というのも、本体前面の操作パネルで「豆から」「粉から」「ミルのみ」という方法がセレクトできる。ユーザーの好みで工程が変えられる、地味にうれしい機能だ。しかも無印良品らしいシンプルなデザインは分かりやすく、誰でも直感的に操作できるインターフェイスになっている。

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▲向かって左側はタイマー機能部分、中央はミルで砕く粉の大きさ(5段階)、右側が豆を挽くかなどを選べるボタンになる

 

5.目覚めとともにコーヒーが飲める「タイマー機能」

朝起きると、すでにおいしいコーヒーが待っているというのは、憧れるシチュエーションではないだろうか。しかし池内さんが既存のアイテムを調べたところ、意外とタイマー機能を持つものが少なかったという。そこで最大3カップ分までのコーヒー豆と水、紙フィルターをセットしておけば、設定した時間に動きだし、自動で淹れたてのコーヒーが楽しめる。

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まさに冒頭で述べた、忙しい朝でもプロ並みのコーヒーが味わえる機能を詰め込んだ、“コーヒー好きが考えた、コーヒー好きのためのマシン”というわけだ。実際に取材会では、このコーヒーメーカーで淹れたものが振る舞われた。筆者も飲んでみたところ、ほどよい酸味と挽きたての香り。オシャレなカフェなどで飲む、自分では淹れられない味のコーヒーだった。

これが毎朝、自動で飲めると考えたとき、頭に「購入」の2文字が浮かんだ。まずは家族にも、この魅力を伝えなくてはいけないだろう。発売は2月下旬、価格は3万2000円だ。

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また、同時にオリジナルブレンドコーヒー豆も発売するとのこと。以前は「Cafe & Meal MUJI MUJI店舗」のみで飲めたコーヒーだったが、自宅でも楽しめるようになる。価格は990円/200g。

>> 無印良品「コーヒーメーカー」

 


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(取材・文/三宅隆)

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