クレイジーケンバンド横山剣とヤマハ「PSR-280」【アーティストの愛用品】

──なるほど! ではカーオーディオにもこだわりが?

横山 今の車もオーディオの良さで選んでますから。クライスラーなんですけど、店の⼈にオーディオを聞かせてもらったら、Harman Kardonのスピーカーの⾳がよかったのですぐに決めました。最初に影響を受けたのは、大瀧詠一さん。キャデラックのフリートウッドというデカい車に乗ってたんですね。やっぱり大物はいい車に乗るんだなと思ったら、大瀧さんはキャデラックが好きというよりも、オーディオ機器と車内での響きがよかったから選んだらしいんですよ。(音楽評論家の)湯浅学さんにその話を聞いて、じゃあ俺もキャデラックにしよう!と思って買ったんです。

──普段、音楽を聞くのは車の中が多いんですか?

横山 わりと最近iPodを買って、Bluetoothで飛ばせるので気に入ってるんですよ。あ、Bluetoothなんて普通ですかね。僕にとっては革命的なんですけど(笑)。それまではMacBookを車の中に持ち込んで、iTunesからBluetoothで飛ばしてたんですけど、小さくて楽になりました(笑)。まあでもそれは簡易的に聞く場合で、本当に本格的に聞く場合は本牧ガレージにあるテクニクスのレコードプレイヤーで聞きますね。

▲横山剣革命的デバイス「iPod」

──やっぱり、一番はレコードですか?

横山 厳密に言うと、レコードだから必ずしもいい音とは限らないんですけどね。でも音がいいものはレコードで聞くのがいいです。聞く時に針を落とす感じがいいし、めんどくさいと思われるかもしれないけど、わざわざひっくり返して第2章が始まる感じとかも好きですね。CDではそれができないので、アルバムの中にジングルを入れたりしてますけど。

──CRAZY KEN BANDの作品は、どう聞くのが一番のオススメですか?

横山 やっぱりカーステレオで聞いてほしいですね。なるべく車の中で、大音量で。

──よく分かります(笑)。さて、ニューアルバム『GOING TO A GO-GO』がリリース間近ですね。テーマは「支離滅裂」ということですが…。

▲『GOING TO A GO-GO』初回限定盤(7000円/税別) 8月1日発売 ※2017年9月2日に横浜赤レンガ倉庫で行われた「CRAZY KEN BAND 20TH ATTACK! [攻] Presented by NISHIHARA SHOKAI」のライブの模様を収録

横山 オリジナルアルバムは3年ぶりなんですよ。だから溜めてた分、パッションが爆発しちゃって、四方八方に飛び散っちゃってるんですね。いい意味で支離滅裂なんです。

──どの曲も、楽しんで思いついたものを歌にした感じを受けました。

横山 ずっとそんな作り方ですからね。行き当たりばったりの曲も多いんですよ。できた曲を、片っ端からレコーディングしていっちゃうんで、あらかじめテーマを決めて作ったことがないですから。

▲『GOING TO A GO-GO』通常盤(3000円/税別) 8月1日発売

──そうなんですか!

横山 一応、ミーティングをやったりもしてるんですよ。でも、いざ作曲してレコーディングとなると、そこで何を話したかなんて全部忘れちゃうから(笑)。ただ完成した後から議事録を見ると、「あ、意外と合ってたな」なんてね(笑)。まあ、曲って考えてできるものじゃないですから。どこかに寄せようとするなら、歌詞で寄せるしかないんですけど、そうすると天然ウナギと養殖ウナギの違いみたいになっちゃう。やっぱり天然がうまいじゃないですか。

──そうですね(笑)。

横山 『タイガー&ドラゴン』が今までで一番セールスがよかったんですけど、あれこそ天然も天然で、何の制約もなく、運転しながら出てきただけの曲ですから。だからなるべく天然で作った方が刺さるんですよね。

──そしてツアーも始まりますね。

横山 8月25日の福生市民会館から11月25日の沖縄・ナムラホールまで、21本。その間に、9月24日に横浜アリーナで20周年記念スペシャルライブがあります。僕らにとっては21本のツアーだけど、お客さんにとってはその土地土地で年に1回しか見られないライブですからね。覚悟を決めていっぱい練習して、老若男女全ての人に楽しんでもらえるように、「来てよかったね」と思ってもらえるツアーにしたいですね。

▲「CRAZY KEN BAND TOUR 2018 GOING TO A GO-GO Presented by NISHIHARA SHOKAI」8/25 福生市民会館 9/1 酒田希望ホール 9/8 釧路市民文化会館 9/9 札幌市教育文化会館大ホール 9/14 NHK大阪ホール 10/7 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール) 10/8 福岡国際会議場メインホール 10/10 宮崎メディキット県民文化センター演劇ホール 10/13 高知県立県民文化ホールグリーンホール 10/19 倉敷市芸文館 10/20 京都劇場 10/27 白河文化交流館コミネス 10/28 仙台電力ホール 11/1 防府市公会堂 11/2 鹿児島市民文化ホール第2 11/9 幸田町民会館 11/10 中野サンプラザ 11/15 富山県教育文化会館 11/17 北國新聞赤羽ホール 11/23 神戸国際会館こくさいホール 11/25 ナムラホール(沖縄)

──選曲はニューアルバム中心ですか?

横山 3分の1ぐらいですかね。4~5作前の、まだ成長中の曲もたくさんありますから、選曲には苦労してます(笑)。曲ってCDが完成形じゃなくて、ライブなどを経て育っていくものですからね。

──頭の中で生まれたものが「PSR-280」を通じて卵になって、レコーディングで命を吹き込まれて、さらに育つと。

横山 本当にそうですね。その意味では、この「PSR-280」にはだいぶ助けられてますね。子供用だけど出来の良い相棒ですよ。いないと困るっていうね。これがなかったら今のCKBはない!

──では最後に、ニューアルバム発売とツアーへの意気込みを改めてお願いします。

横山 サッカーで言えば、今までのキャリアが前半戦。この2年間のお休みがハーフタイムで、これからCRAZY KEN BANDの後半戦、最終章の始まりです。そういう意気込みで、『GOING TO A GO-GO』というタイトルにしたので、皆さんもこの渦に巻き込まれに来てください。

──これから後半戦ということは、あと20年楽しめるわけですか。

横山 アディショナル・タイムも、PKもありますから、まだまだです(笑)。いつも加山雄三さんにヒントをもらってるんですけど、加山さんが81歳であんなにお元気なのを考えると、あと20年はできるかもしれない。あ、あと20年やってもまだ加山さんより年下だ。じゃあ、まだまだ大丈夫ですね(笑)。

>> クレイジーケンバンド OFFICIAL WEB SITE

 


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(取材・文/高崎計三 写真/田口陽介)

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