【シェアNo.1のヒミツ】ホッチキス界のトップランナー「マックス」

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話を伺ったのは、マックス オフィスプロダクツ営業部 マーケティングGの山本恭隆さん。 ホッチキス商品のマーケティング、セールスプロモート、企画・開発に携わり、POPやパッケージのデザイン、さらにはメディア戦略まで幅広く統括するプロデューサー的な役割を担っているキーマン。寝ても覚めてもホッチキスのことばかり考えている

 

ライター山口(以下山口):御社は国内のホッチキス市場でシェアNo.1ですよね。いつからNo.1になったんですか?

マックス山本さん(以下山本さん):実は、よく分からないんですよ(笑)。ただ、弊社は終戦間もない頃に他社に先駆けて国産ホッチキスの生産を始めたので、おそらくその頃からNo.1だったのではないかと自負しています。

山口:スタートからぶっちぎりだったんですね!

山本さん:実はそうでもなかったようです。今でこそホッチキスは手軽な値段で売られていますが、出始めの頃は高価で、ひとりに1個とまではいきませんでした。

山口:広まるきっかけは何だったんですか?

山本さん:経済成長の追い風もあって、時間を掛けてじわりじわりと市場に浸透したようです。シェアNo.1を決定づけたのが、1954年に発売した「MAX・10」のヒット。ホッチキスの代名詞にもなるほどで、模造品も出回っていたくらいですから、それだけ世の中に与えた影響も大きかったんだと思います。当時の社内では「真似されるということは、それだけ影響のある商品なんだと理解しよう」といったことが言われていたようです。

山口:大らかな時代だったんですね。

山本さん:その反面、歯がゆい思いもあったんです。当時はホッチキスの存在すら知られていませんでしたから、使用方法を紹介するCMを流すなど普及に努めていました。しかしながら、模造品のクレームが弊社に寄せられることも多かったと聞いています。

山口:それから60年以上もの間、ずっとNo.1を維持し続けてきましたよね。その、秘訣は何だったんでしょうか?

山本さん:ひとつは、ホッチキスのNo.1企業として「高品質」こだわっていることだと思います。いかに気持ちよく綴じられるか、綴じる失敗をなくすための社内基準がとても厳しく、コンマ1mm単位の精度で作り込んでいます。綴じられる枚数の表示も、誰でも確実に綴じられると確信が持てなければ謳いません。

(古めかしいホッチキスを手に取り)

ちなみに、このホッチキスはお客様が30年以上愛用されて、弊社に寄贈してくださったものです。おそらく数十年前の針が入っていますが、今でもちゃんと打てるんですよ。

山口:ホントだ! すごい! 打てますね!

山本さん:針は1本1本糊付けして50本の束で1ユニットになっています。接着する糊にもこだわっているので、30年経った今でもちゃんと接着しているし、変色もしにくいんです。針にはJIS(日本工業規格)で寸法などが規定されていますが、JISマークが付いているのは弊社製品だけなんです。

 

新幹線で見掛けたOLさんに話を聞くため、勤務先を訪問し…

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