ランクルでもジープでもない……アラブの王様もハンドルを握る“砂漠の王”とは日産「パトロール」のことだ!

かつて日本でも「サファリ」の名で販売されていた日産のオフロードカー「パトロール」をご存じだろうか。第一世代の誕生はなんと1951年、来年は発売75周年という日産随一のロングセラーモデルである。現在では中東湾岸諸国を中心に日本国外で展開するが、世に数多ある優れたオフロードカーを差し置いて、中東ではなぜ「パトロール」が支持されるのだろうか?

■「ああ、あのサファリか!」

▲1987(昭和62)年発売のY60 型。日本では2代目「サファリ」として、海外市場では4代目「パトロール」として知られる

日産「パトロール」といってもクルマ好きでもなければピンとくる人は少ないだろう。それもそのはず。2007年を最後に日本では販売されていないし、しかも車名は「サファリ」だった。

「ああ、大門軍団の!」と手を打つあなたは昭和男子(笑) そう刑事ドラマ『西部警察』でも特装車としてブラウン管で大活躍したオフロードカーこそが日産「サファリ」。現行モデルは2024年秋発売の7代目「Y63 Patrol」であり、今年6月にはその「NISMO」モデルの発売もリリースされている。

SUV人気、本格オフロードカー人気に沸く昨今である。なぜ日産のお膝元、日本では未発売のままなのか。「パトロール」の現在と未来をキーパーソンに質すべく、神奈川県厚木市の日産テクニカルセンターを訪ねた。

▲2代目パトロール(60型)。1960年登場

▲1960(昭和35)年にモデルチェンジした2代目・60型となったパトロール消防車

▲1980(昭和55)年の3代目・160型から日本では「サファリ」の車名で呼ばれる。写真は1985(昭和60)年式で、冒険(ADVENTURE)を意味する「AD」グレード

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