東京駅から上越新幹線で長岡駅まで約1時間40分。さらに在来線を乗り継いで向かう新潟県田上町は、湯田上温泉や護摩堂山で知られるのどかな町。また町内には多くに竹林が広がる「竹の町」でもあります。
そんな秋の田上町を彩るのが、今年で5回目を迎える国際田上竹祭「TAGAMI Bam Boo Boo(たがみバンブーブー)」。放置竹林の竹を活用したアートイベントで、今年は9月12日から10月12日まで開催。竹林の整備から作品づくり、運営まで地域の人々が関わり、竹の新たな魅力を発信しています。
▲たがみバンブーブー竹林(有料)のほか、椿寿荘(有料)、道の駅たがみ(無料)など町内6カ所の会場で開催されている
“収穫の秋”を迎えたご当地ならではの魅力的な料理や食材もさることながら、今回は開催中のこちらのイベントもお目当てのひとつ。さて、どんな美食やアートとの出会いが待っているのか期待に胸が膨らみます。
◾️酒蔵の面影を残すカフェで料亭仕込みの美味に舌鼓
▲大正時代に建てられた歴史を感じさせる町家をリノベーションし、カフェとして利用
▲店内には、かつて醸した酒を貯蔵していた蔵を利用した空間も
まずは足を延ばして田上町の隣、加茂市にある『YamaCafe』へ。こちらを運営するのは、創業200年を超える老舗料亭「清雲亭 山重」。戦前までは酒蔵を営んでいた町家をリノベしたという店内は重厚な梁や柱、高い天井が印象的で、歴史を感じる落ち着いた雰囲気にカフェの佇まいが同居した居心地のよい空間です。
▲お造りをはじめ、白和えや鮭の西京焼きなど、趣の異なる6種の惣菜が楽しめる「和かご弁当」(2500円)。他にごはんと味噌汁も付く
いただいたのは、ランチ時の看板メニューである「和かご弁当」です。籠の中には、豆皿に盛り付けられた季節の惣菜が美しく並び、お造りや焼き物、和え物などバラエティに富んだ料理を少しずつ味わえます。見た目も愛らしく手をつけるのが惜しいほど!
▲脂がのった鯛と、ぷりっぷりの食感が楽しめる甘えびのお造り
素材の持ち味を生かした料理はひと品ごとに異なる味わいが楽しめ、老舗料亭が手がける店ならではの丁寧な仕事が感じられます。美しい日本庭園を望みながら味わう季節の美味の数々――田上町へ向かう前に、新潟の食をゆっくりと味わうことができました。
YamaCafe
重視:新潟県加茂市仲町2-6
TEL:0256-52-0104
営業時間:11:30〜17:00
定休日:月曜、火曜
>> YamaCafe
▲全16タイプとバリエーション豊かな客室を擁する老舗ホテル。露天風呂付きやサウナ付き客室も用意
腹ごしらえをした後は、夜間にピークを迎えるTAGAMI Bam Boo Booに備え、今宵の逗留先である「ホテル小柳」へ早めにチェックインすることに。こちらは江戸期には湯治場として栄えた湯田上温泉にある温泉宿。スタッフに竹のアートが楽しめる客室があると聞き、見学させてもらうことにしました。
▲特別室「TAKUMI」から望める専用庭園には竹を使ったオブジェが。客室内は新潟の伝統工芸をモチーフにしたあしらいが随所に見られる
特別室専用に設えられた庭園には竹のアート「Bambooboo Garden」が常設され、客室からは、まるでアートを独り占めするかのような景色が楽しめます。夜には庭園がライトアップされ、幻想的な風景が楽しめます。その後は客室でひと休みし、日が落ちるのを待ちます。
◾️夜の竹林が幻想的なアート空間に!「TAGAMI Bam Boo Boo」
▲歩きやすいよう会場の順路に竹チップが敷かれるなど、本来は廃棄する予定だった竹がオブジェ以外にもそこかしこに活用されている
イベント会場となっている竹林に到着すると、すでに見学客で大賑わい。竹林をみると、暗闇の中、全体がぼんやりと明るく光っているかのよう。果たして、足を踏み入れた先に広がっていたのは、暗がりの中にさまざまな竹と光のアート作品が浮かび上がる、静かで幻想的な空間でした。
▲CHIKAKEN 竹あかり演出家の三城賢士さんをはじめ、4人のアーティストが手がけた作品が竹林内に点在する
竹のオブジェを照らす優しい光は、竹の節や細かな表情をそっと際立たせます。近づいて眺めると、光を透かした竹の色や重なり合う影の濃淡が刻々と変わっていくのが分かります。時折、頬を撫でる風が心地よく、まさに自然の中に作られたアート空間にいるという実感が湧いてきました。
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