超高回転型のZXRで独自路線へ!レーサーレプリカの系譜④<カワサキ編>

各メーカーが毎年のようにモデルチェンジを繰り返し、そのたびに性能がアップしたマシンが続々と登場していた1980〜90年台のレーサーレプリカブーム。その辺の高校生までもが過激なレプリカマシンを乗り回し、いつかはサーキットを走りたいと憧れるという今考えても熱すぎた時代でした。そんな“あの頃”を振り返るシリーズ企画。今回はレプリカでも独自の路線を歩んだカワサキを取り上げます。

 

■レプリカでも個性あふれるマシンをリリース

カワサキのレーサーレプリカといえば、4ストの「ZXR」シリーズを思い浮かべる人が多く、2ストマシンのイメージはあまり強くないかもしれません。たしかに、これまでの記事で取り上げたNSRやTZR、ガンマといったライバルに比べると印象は薄いかもしれませんが、実はカワサキも個性的な2ストレプリカをリリースしていました。

▲1984年式「KR250」(KR250A)

その代表が、1984年に登場した「KR250」です。NSR(1986年)やTZR(1985年)よりも早かったんですね。このマシンは、世界GPの250ccクラスで活躍していたワークスレーサー「KR250」と同じ車名でリリースされた、純然たるレプリカマシンでした。その証拠にエンジンはタンデムツインという単気筒を2つ縦に並べたようなワークスレーサーと全く同じ形式。キャブレターはエンジンの右サイドに2つ並んで装着されており、レース用のロータリーディスクバルブとリードバルブを組み合わせた「R.R.I.S.(ロータリー&リードバルブインテークシステム)」という特殊な吸気構造を採用していました。

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