「ZOOMER」「BW’S」「VOX」いま見ても乗りたくなる個性派原チャリ5選

▲1990年式「ZOOK」

「ZOOMER」は当時、ホンダ社内に存在した「Nプロジェクト」と呼ばれる若手エンジニア中心のチームが手掛けたモデルで、このチームはほかにも「エイプ」や「ソロ」などユニークなマシンを世に送り出していました。

ちなみに「ZOOMER」は、現在かなり高値で取り引きされているようですが、その名を受け継いで2013年に登場した「ズーマーX」は、あまり知る人の少ない存在。110ccのエンジンを搭載していてメットイン機構も備えるなど、コンセプト的には少し異なる部分もありますが、ネイキッドスクーターのイメージは継承されています。

▲2013年式「ズーマーX」

 

2. ヤマハ「BW’S(ビーウィズ)」

オフロードイメージのスクーターとしては、ヤマハの「BW’S」も忘れられないモデルです。初代の登場は1988年で、空冷2ストロークのエンジンを搭載し、2灯タイプのヘッドライトとブロックパターンの太いタイヤを装備しており人気を集めました。

当時は走り屋に人気のハイパワーモデルがもてはやされる傾向にありましたが、最高出力6PSとややアンダーパワーのこうしたモデルも受け入れられる土壌があったのですね。

ちなみに、このマシン、フランスのMBK社が「Booster」というモデル名で現地で製造・販売が続けられていました。

▲2016年式「BW’S」

そして、2012年には台湾ヤマハが製造する4ストロークエンジンを搭載した「BW’S」が、日本国内でも正式に販売されるようになります。

丸目2灯であることは共通ですが、やや角張ったデザインとなり、リアキャリアなども装備。このモデルには100ccモデルも用意され、メットイン機構も備えていました。2016年にはより流麗なデザインにモデルチェンジ。この頃のモデルであれば、中古で入手しても安心して乗れそうです。

 

3. ヤマハ「VOX(ボックス)」

車名の通り、箱型デザインの車体を採用していたのが2006年発売の「VOX」。シート下に34Lという大容量の収納を備え、ヘルメットはもちろん、テニスラケットも収納できるというのが売りでした。一般のメットインと異なり、横開きの設計となっていたのもユニークなところ。

エンジンはヤマハの原付としては初となるフューエルインジェクションを採用した4ストロークで、当時のクラストップとなる5.2PSを発揮していました。丸目1灯のライトと、パイプハンドルのデザインも人気のポイントで、今でも乗ってみたくなる仕上がりです。

 

4.スズキ「choinori(チョイノリ)」

名前の通り、街中での「ちょい乗り」に特化した簡素な装備で、国内生産でありながら定価5万9800円という価格を実現し話題となったのが2003年発売の「choinori」。リアにはサスペンションのないリジッド構造で、4ストロークエンジンの最高出力はわずか2PSでしたが、愛らしいデザインで注目を集めました。

エンジンは一般のスクーターのようなユニットスイング式ではなく、フレームに固定されており、駆動力はチェーンでタイヤに伝達する方式とされていたのもユニークでした。この構造のため、チェーンとスプロケの変更でギア比を変えるなどのカスタムも容易。今乗るなら、そうしたカスタムも含めて楽しみたいところです。

 

5. スズキ「ストリートマジック50」

ギア付きバイクのように見えるデザインですが、スクーターと同じ無段階変速のパワーユニットを採用していたのが1997年発売の「ストリートマジック50」。空冷2ストロークエンジンは当時の自主規制値上限の7.2PSを発揮していました。この車体形状のため、収納機構は一切ありませんが、ニーグリップができることもあって、走りにこだわるユーザーには人気を集めました。

エンケイ製のアルミホイールなどを装備した「ストリートマジック50S」、オフロードイメージのブロックパターンタイヤなどを採用した「ストリートマジック50Ⅱ」などバリエーションモデルも豊富で、2006年まで生産されていました。110ccエンジンを搭載した「ストリートマジック110」も存在したので、そちらも含めて探してみるのも良さそうです。

 

<文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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