外装をつけると見えなくなる浮力材もリアルに塗装!【達人のプラモ術<しんかい6500>】

■やっぱり電飾はいい!

キットには電飾ユニットが付属していて、耐圧球内部のコクピットと探査用ライトを光らせられるようになっています。配線もコネクターを繋ぐだけなので、ハンダ付けなどの手間もかかりません。さすがバンダイクオリティといったところです。船体の組み立て自体は、スナップということもあってストレスなしで組み上げられます。

▲電源ユニットは完成済みなので、胴体に組み込むだけでOK

▲2灯のLEDはコネクターで接続する

▲コクピット内部を光らせてみた

▲こちらは探査用のライト。リアルに発光し、かなり明るいので、ジオラマ映えすること間違いなし

 

■ジオラマに悩む

さて、船体の塗装を乾燥させている間に、ジオラマのアイデアを考えましょう。

深海潜水艇だからって水中に浮いているだけのシチュエーションでは面白くないですよね。とはいえ軍用の潜水艦のようにアクティブなシチュエーションはおかしい。で、考えたのが「深海のチムニー(熱水噴出孔)から吹き出す熱水の探査で、チムニーに肉薄するしんかい6500!」といった感じで、まぁキットの箱絵のイメージの迫力のあるジオラマにしたいと思います。

©2012 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology

ちなみに以前しんかいの操縦士の方にきいたのですが、しんかい6500の外装は樹脂製なので、高温の熱水には耐えられないのだそうですが、同乗する科学者は「あのブラックスモーカー(吹き出している熱水)の中に突っ込んで」とか無茶ぶりしてくるそうです(科学者恐るべし!)。

©JAMSTEC/NHK

地上で水は100℃で沸騰しますが、大きな水圧がかかる深海では水の沸点は高くなるんですね。チムニーがある深度1000メートル以上の海底では、大きな水圧がかかり、さらにチムニーから噴き出す水には高濃度の塩分や金属成分が溶け込んでいるために200~400℃もの高温になるそうです(チムニー恐るべし!)。

 

■ジオラマベースの製作

ジオラマのベースはスタイロフォームを使い、写真を参考に海底のチムニーをそれらしく製作。これに塗装をしてリアルな海底の熱水噴出孔の情景を作り上げていきます。どう仕上がるかは、これからのお楽しみ。

▲スタイロフォームからベースとチムニー(柱状の熱水噴出孔)を削り出して製作

▲しんかい6500を配置してみてジオラマのイメージを固める

▲ラッカーシンナーを筆で塗布することでスタイロフォームの表面が溶けて海底の岩のようになる

▲深海に生息していそうなモンスターを配しても面白いかも。約3億8200万年前の古代デボン紀に生息していたダンクルオステウスのフィギュアは大英博物館のお土産

 

■潜水艦と潜水艇の違いって何?

▲1960年マリアナ海溝南部の最深域チャレンジャー海淵の海底10916メートルに世界ではじめて到達した潜水艇

潜水艇は、主な目的が海底調査で観察用の窓、照明やマニピュレーターといった装備があり、深々度に潜るため強固な耐圧構造を有しています。乗員は2~3人といったところです。DRSVのように沈没した潜水艦の乗員の救助を目的とした潜水艇もあります。深く潜ることはできますが、速度や機動性はあまり重要視されていません。

▲アメリカ海軍のバージニア級原子力潜水艦。水中速度25ノット、水中での潜航深度250メートルの高性能を誇る

潜水艦は基本軍用で大型の艦となります。100人前後が乗り込み、魚雷といった武装を持ち水中での速度、機動性も高いのが特徴です。その代わり潜水艇のように深く潜ることができません。最新の原潜でも深度500メートル前後が限界です。潜水艦映画では、限界深度を超えて、船体がギシギシと潰れそうになって緊張感MAX!のシーンがお約束ですな。

*  *  *

次回はしんかい6500の完成を目指します。お楽しみに!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

【関連記事】

◆古典SF映画の傑作『地球最後の日』に登場する宇宙船を製作【達人のプラモ術<宇宙船アーク号>】
◆映画にもなった宇宙船「アポロ13号」の破損状態を製作!【達人のプラモ術<アポロ13号>】
◆なんと1957年製!古き良きアメリカのプラモデルを作る【達人のプラモ術<パイパー・トライペーサー>】

トップページヘ

この記事のタイトルとURLをコピーする