【素朴なギモン】なぜ蚊取り線香は左巻きなのか

そんな蚊取り線香。実は日本だけでなく海外でも需要があるのだとか。

「海外でも暑くて蚊の多い地域ではやはり需要があるということで、当社でもタイのバンコクに生産工場があります」(宣伝部)

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タイ商品

こちらがタイの製品。ひと目で殺虫剤と分かる分かりやすいデザイン、いいですね!日本で生まれた蚊取り線香は外国でも活躍していたんですね。

大きく姿を変えることなく今に至る蚊取り線香ですが、金鳥の殺虫剤は実は着実に進化を遂げています。

「最近では、ラベンダーやローズなどの香り付きのものを愛用してくださる方もいます。また、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、火を使う製品は心配だということで、これまでも電気や電池を使用した殺虫剤を開発してきましたが、最新の製品では火・電気・電池も使わないものがありますよ」(宣伝部)

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「蚊がいなくなるスプレーPRO」は、一部屋(4.5~8畳)に1プッシュすれば薬剤が壁や天井に付着し、24時間効果が持続するという画期的な製品。人々の暮らしに寄り添い殺虫剤の改良を続けてきた創業者の探究心が、脈々と受け継がれていることを感じさせる製品です。

しかし一方で、変わらないこともあるのです。

「現在では、除虫菊に含まれる殺虫成分「ピレトリン」は化学的に合成が可能で、製品には「ピレトリン」を元に開発された「ピレスロイド」という殺虫成分を使用しています。ですが、蚊取り線香といえばやはりあの香りを大切に思ってくださるお客さまも多いので、昔ながらの香りを守るために当社の製品には今でも除虫菊の搾りかすを練りこんでいるんです」(宣伝部)

進化は遂げつつも、守るべきものは守り続ける。蚊取り線香には、ひとつの企業の進化の歴史が詰まっていました…!

(取材・文/明知真理子)

あけちまりこ/ライター

編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。雑誌・ウェブ等で幅広く活躍し、寝る間もないほど売れっ子(になりたいと思っている)。趣味で株式投資をしており、日経平均が下がると表情がやや曇ります。映画と旅行とプロレスが好き。

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