これって電話ボックス? いえいえ、あなただけの作業スペースなんです!

■一歩足を踏み入れるととにかく静か

今回、筆者が利用したのは大手町パークビル1階にあるテレキューブ。現在、このビルには3台のテレキューブが設置されています。

▲テレキューブ1つあたりのサイズは幅1200×高さ2315×奥行1200mm。電話ボックスよりもひと回り大きく感じるくらいだった

▲テレキューブは、企画・開発・販売をブイキューブ、筐体の共同開発と販売をオカムラ、公共空間への設置を三菱地所、森ビル、JR東日本が行っている。JR東日本は独自プロジェクトとして展開しており、筐体も「STATION BOOTH」という名称だ

利用するには、テレキューブのタッチパネルに表示されたQRコードをスマホで読み取る仕組みです。テレキューブの利用にはスマホが必須ということですね。

▲テレキューブの専用サイトを開き、「QRコード」タブを開いてから読み取る

▲即時利用の場合は利用時間を決める。丸の内などでは出張中のビジネスマンが長めの時間を利用することもあるそうだ

解錠されたドアを開けると、ソファ、デスク、モニターが現れる。このモニターをパソコンにつないでビデオ通話が可能。外から眺めるだけではわかりませんでしたが、とにかくシンプルな空間です。

▲パソコンでビデオ会議するのに必要な必要最低限に設備が整っている

▲コンセントが1口、USBコネクタが1口あるので、PCやスマホを充電しながら利用できる

実際に座ってみて驚いたのが、思った以上に広く感じたことです。大柄な筆者が座っても足元に狭さを感じないですし、テーブルも広々と使えます。ソファは人間工学に基づいて設計されていることもあり、座り心地は上々です。

▲内寸は1060×高さ2009×奥行き1070mm。足元が広く、小ぶりなスーツケースであれば余裕で持ち込める

▲デスクにMacBook Airを置いてみたところ。これだけあれば、多少書類を広げながらでも作業しやすい

広さにも驚きましたが、さらに驚くのがその防音性の高さ。外の音は何となく聞こえるのですが、中の声は外に聞こえない特殊な機構を採用しているんです。さらに、内装パネルには映画館などでも使われている吸音パネルを使用しているので、音が反響しにくくなっています。これならテレキューブ内での通話がスムーズにできそうです。

▲中から外を見ると、人がいることはわかるがはっきり見えるわけではないので、ほとんど気が散らなかった

天井まで密閉されているので、これなら安心して通話ができます。天井には空気排出用のファンが設置されており、熱感知式の消火器も設置されているそうです。

▲温白色(3500K)のダウンライトの明るさがちょうどいい。換気ファンがあるので、密閉されていてもそこまで暑さを感じなかった

 

■カフェとは違いセキュリティが保たれるのが強み

テレキューブは、現在実証実験中の段階。2018年12月にスタートし、現在は15分250円の利用料がかかります。30分で500円となると、カフェを利用するのとほぼ変わらないくらいです。むしろ、テレビ電話はカフェではできないですし、電源がある席を確実に確保できるというのもテレキューブの強みです。

▲スマホでの予約も可能。確実にスペースを確保できるのはありがたい

設置場所は丸の内、六本木、赤坂、日比谷、青山、横浜で、現在は17ブース可動しています。まだまだ使える場所が限られているので、今後のエリア拡大に期待したいところ。

また、Wi-Fiが設置されていないのもやや気になります。テレワークが基本の人はモバイルルーターを持ち歩いていますが、できるだけ通信容量を節約したいときにはWi-Fiがほしいですね。

とはいえ、外出の多い営業職やフリーランスの人にとっては知っておくだけで心強い存在になるはず。気になる人はぜひお試しあれ!

>> テレキューブ

 


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(取材・文/今西絢美

いまにしあやみ/エディター、ライター

いまにしあやみ/エディター、ライター

編集プロダクション「ゴーズ」所属。スマートフォンなどのデジタル製品を中心に、アプリや関連サービスに関する記事をウェブや雑誌で執筆中。趣味は食べ歩きで、食にまつわるサービスや製品のチェックがライフワーク。

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