雨キャンプを快適にするタープの張り方と焚き火術

■雨の日って焚き火ができるの?
実は私もキャンプを始めたころ、雨の日に焚き火ってどうやるのだろう? って思ってました。でも熱源としてほぼ100%焚き火を使うので、焚き火ができないと調理はできなくなります。そこで、雨天時でも焚き火ができるよう色々試しました。

今回は、雨の日にどこで焚き火をしたらいいか、どのように火を育てたらいいのかを紹介します!

①タープの下で焚き火を行う

最も簡単な方法です。単純にタープを180㎝以上になるように高めに張って、その下で焚き火を行います。

この数値の根拠は、キャンプをする人の身長にもよるのですが、なるべく直立できる高さにタープを張ってください。もちろんタープに火の粉が飛ばないようにするためですが、タープ下で移動することも考えてのこと。雨の日は幕内(雨除けの下)にいなければならないので、居住区間をより広く取ることがとても重要です。

焚き火をする際は、火の大きさに十分注意してください。はじめのうちは、なるべく小さな火からやってみてください。また、タープを火の粉から守るためにエマージェンシーシートなどをタープ下面(焚き火側)に磁石などで張る方法もあります。

②軍幕の下で焚き火を行う

この写真の時は雨が止んでいましたが、雨が時々降っていたので軍幕を跳ね上げ、タープ状にしたところの下で焚き火を行っております。

軍幕はコットン生地ですから、ポリエステル製のタープよりは火に強く、タープほど高く張らなくても大丈夫です。火の大きさにもよりますが、大体140㎝くらいあれば大丈夫です。ただし、なるべく、焚き火は低く(直火が可能であれば直火で)行う方が良いです。ちなみに東ドイツ軍幕は、私の経験上、とても雨に強いです。

台風時に東ドイツ軍幕でキャンプしましたが、とても快適に寝れました。少し浸水していて、ほのかに朝、顔が濡れてましたけどね。笑

③幕の外で焚き火を行う

この写真は晴れているのですが、前夜が大雨で風速15mくらいの強風だったため、設営がものすごく大変でした。本来、雨の時は居住空間を広くするためにタープや幕は高めに張るのですが、この時は強風対策で超低空にタープを張った関係で、タープの下で焚き火はできず、外でやりました。

■雨でも焚き火を行う際のテクニック

かなり上級のテクニックになりますが、雨でも(雨除けがなくても)焚き火は可能です。

コツは、着火の際に濡らさないこと、湿った薪は焚き火を使って乾かすこと、高火力を維持することの3点。

まず、着火はタープの下で行います。白樺の樹皮やファットウッドなど、火着きが良く長持ちする火口(ほくち)がいいです。あっ、もちろん着火剤とかでもいいですよ。雨ですから。

着火後は普段の焚き火と同じで、小さく細い枝や細く割った薪から育てます。この時に雨で火口が濡れないように、火口と枝の間に少し空間を作り、枝で火口を覆い隠すように、大量にかぶせます。

火力を一気に上げるために、火口は大量に用意してください。そして、枝も濡れないように、薪でガードしてください。そうすれば一気に火力が上がり、雨に負けない焚き火ができあがります。ただし、薪が十分に確保できない状態だと鎮火するので、十分に薪を用意しておくことが重要です。

■雨でも軍幕を張りたいけど、どの軍幕がいいの?

軍幕には撥水加工が施されていますが、コットンなので、ポリエステルやナイロン生地の幕よりは水に強くありません、でも、軍幕を張りたい!そんな方、多いのではないでしょうか?

私がお勧めする、雨の日の軍幕をご紹介しましょう。

①USパップテント

オーソドックスですが、USパップテントはそこそこ雨に強く、この写真の張り方「USパップテント オープン型」であればかなり広い空間ができますし、タープ状に張り出したこの庇部分が雨から守ってくれます。デュオはきついですが、ソロなら雨の日でも十分な居住空間を得られると思いますよ!

②東ドイツ軍テント

私は、USパップテント、ポーランド軍幕、スウェーデン軍幕、旧ソビエト連邦軍幕、東ドイツ軍幕を所有しておりますが、最も雨に強いと思うのは、東ドイツ軍幕です。

まず、生地自体の撥水性が一番高いと思います。そして、175㎝の正方形なので、組み合わせ次第でさまざまな張り方アレンジが可能ですし、雨の日に必要な広い居住空間を作り出すせます。写真のように6枚張りであれば、デュオでもかなりの広さで使え、庇部分を写真のように変形させることで、雨の逃げ道も作れます。本当に快適な軍幕ですよ!

雨天時の張り方はわかったけど、強風時の張り方は?

確かにキャンパー最大の敵は強風ですよね。以前、「強風に対するタープ設営テクニック」の記事を掲載しましたが、今回は、実際に風速15mの強風と雨をしのいだタープの張り方を紹介します。

使用しているタープは「DDタープ 4×4m」で、ダイヤモンド張りの変形です。

最も簡単に張れるので、悪天候時にはとても重宝する張り方です。基本的には、正方形の一辺を立ち木にロープで止めます。ポールを使用しても良いですが、強風時は立ち木に止めるのが一番です。

ポイントは、お尻です。順風方向のお尻(立ち木に止めた方の逆の頂点)を少し浮かせて、空気の通り道を作ります。こうすることで、風の抵抗を減らることができるんです。

また、強風時はなるべく低空に張ってくださいね。

さて、梅雨突入しても焚き火は十分に楽しめて、ちょっとした工夫で、過酷な状況下でもキャンプを満喫するテクニック、お分かりいただけましたでしょうか?

もちろん無理をする必要はありませんが、普段キャンプをしないような天候でやってみると経験値が上がり、自信もつきます。ぜひ無理のない範囲で、梅雨キャンプを楽しんでみてください。川の近くや湖の増水、強風時の焚き火での火災などには十分に気を付けてくださいね。

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(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント @ryu chikazawa #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」「減災支援協会サバイバルプロジェクト野塾 塾長補佐」

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