スピーカー搭載「Orbi Voice」で体感したメッシュWi-Fiのメリット・デメリット

■網目のようにつながるメッシュWi-Fi

“メッシュWi-Fi”というのは文字通り、メッシュ(網目)のようにつながるWi-Fiネットワークのことです。一般的なWi-Fiルーターは、自宅のインターネット回線の入り口近くに置き、そこに有線LANやWi-Fi経由でインターネットに接続する仕組みになっています。

3階建てなどの一戸建てや鉄筋コンクリート造の広いマンションなどで家の端から端までWi-Fiがつながりにくい場合、2台目、3台目のWi-Fiルーターを中継機として使う方法があります。しかしこの場合、1台目のルーターが親機、2台目以降がそれにつながる子機になり、子機同士の通信は行われません。親機に子機がぶら下がる、ツリー構造のような形になります。

一方のメッシュWi-Fiの場合、親機に子機がつながるという関係は同じですが、通信速度が速い経路を親機・中継機が判断し、中継機同士も含めて最適な経路を選択するというのが大きな違いとなっています。親機と中継機1台ではあまりメリットは得られませんが、2台、3台と中継機が増えるほど、そのメリットが得られるというわけです。

 

■スマートスピーカーがメッシュWi-Fiの中継機になる

Orbi VoiceはネットギアのメッシュWi-Fiシステム「Orbi」シリーズに新たに追加されたAmazon Alexa搭載のスマートスピーカーで、Orbiシリーズの中継機(サテライト)の機能を内蔵しています。

Orbi Wi-Fiシステムをすでに導入している人なら、Orbi Voiceを追加することでメッシュWi-Fiシステムをさらに強化しつつ、スマートスピーカーとしてAmazon PrimeミュージックやSpotifyなどの定額制音楽配信サービスを楽しんだり、ニュースや天気予報を聞いたりと、さまざまな使い方ができるようになるというわけです。

今回は親機である「OrbiトライバンドメッシュWi-Fiルーター」とOrbi Voiceのセット(実勢価格5万5000円前後)を試してみることにしました。

▲メッシュWi-Fiの親機である「OrbiトライバンドメッシュWi-Fiルーター」

セットアップはスマホ向けの「Orbi」アプリ(無料)を使うことで簡単に行えます。アプリの指示に従ってLANケーブルをOrbiルーターに挿し、Wi-Fiルーターの裏側にあるQRコードを読み込むことで、スマホのWi-Fi設定が完了。指示に従ってOrbi Voiceも追加し、Amazon Alexaの言語設定などを行えば使えるようになります。

▲スマホ向け「Orbi」アプリ(無料)の設定画面

Orbi VoiceはAmazon EchoやGoogle Homeなどオフィシャルのスマートスピーカーに比べると一回りも二回りも大きくて重い(幅16.3×奥行き12.5×高さ21.8cm、重さ約1.8kg)ですが、3.5インチフロントウーファーと1インチフロントツイーターに加えて、低音を増幅するバスレフポートを内蔵し、パワフルな音を鳴らしてくれます。これだけのサイズなのでステレオ構成か、360度に音が広がる無指向性のスピーカー配置になっているとさらに魅力的にも思えます。

▲Amazon Alexaの設定もOrbiアプリで行う

キッチンで料理や洗い物などの家事をすることが多いため、筆者宅ではキッチンカウンターに置いて使ってみました。「4分の魚焼きタイマーをセットして」とか、「ラジコでTOKYO FMをかけて」、「アート・ブレイキーの音楽をかけて」など、手を使わずに声をかけるだけで操作ができるのはやはり魅力です。

▲リビングルームに隣接するキッチンカウンターに置いて使ってみました

スピーカーは有名なオーディオブランドであるHarman Kardonによるものです。高音域の解像感に少し物足りなさを感じるものの、ボーカルなどの中音域や低音域はなかなかパワフルなので、聴き応えは十分にあります。

【次ページ】Bluetoothなどの機能がないのは残念ながら、LAN端子を搭載

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