【趣味のためのクルマ選び】使える荷室+力強い走り!ベンツCクラスワゴン

Cクラスのオリジンは、1982年に登場した「190」シリーズ。当時は“小ベンツ”なんて呼ばれていましたが、30年余りを経たCクラスの“荷車”は、予想以上に立派な仕立て!

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C180ステーションワゴン スポーツのサイズは全長4730mm、全幅1810mm、全高1450mm。名作の誉れ高い“W123”(「Eクラス」の前身)と、同等の大きさですね!

というわけで、電動式のリアゲートを開け“いつもの”機材を積み込んでみました。

今回、Cクラス ステーションワゴンのラゲッジスペースに載せたのは、国内線の機内に持ち込み可能なカメラバッグ、3段の脚立、長さ120cmのライトスタンドバッグ、三脚、レフ板セット、ふたつの大型ストロボ、そして、メイクさんが持参するバッグを模したトラベルケース、です。

いざ、撮影機材を入れてみると、まさに「ピッタリ」という感じで収まりました!

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参考までに、メジャー片手にラゲッジスペースのサイズを測った実測値を報告しますと、奥行きは98cm、幅は122cm(プラス12cm分の物入れ有り) 、フロアからパーセルシェルフ(荷室カバー)までの天地は35cmでした。

Cクラス ステーションワゴンの荷室容量は、470リッター。意外なことに、BMW「3シリーズ ツーリング」の495リッターに届きません。“実用性のベンツ、スタイルのビーエム”といった先入観を覆すスペックです。

後日、3シリーズワゴンをお借りしてラゲッジスペースを測ったところ、奥行きは102cm、フロアからパーセルシェルフまでの天地が42cmと、なるほど、Cクラス ステーションワゴンを凌駕していますが、荷室の幅は、手前半分が124cm、奥が97cmでした。

ということもあり、実際に荷物を積んで「使いやすいなぁ」と感じたのは、Cクラス ステーションワゴンの方でした。

理由のひとつは、ラゲッジスペースの形状がスクエアで、収納順序などをあまり考えずにポンポンと荷物を入れられること。地面から荷室フロアまでの高さが58cmと、BMWの64cmと比べて6cm低い点も、重い荷物(ライトスタンドバッグの中には、スタンド固定用に鉛のオモリが入っています)を出し入れする際にはありがたいんです。

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もう1点。Cクラス ステーションワゴンの場合、パーセルシェルフを「手前<−>奥」だけでなく、荷室開口部の枠(=Dピラー)に沿って上方向へスライドできるのも「便利だ」と思いました。

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開口部を広く取れる上、荷室の奥まで腕を伸ばす必要がない。少々ラフに積んでも、バッと上からカバーをかけられるので、手早く積み下ろしの作業ができます。こんなところも、数値に表れない、メルセデス・ベンツならではの“使いやすさ”といえるでしょう。

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さらに、絶対的な広さが求められる時は、積荷の形状に合わせ、4:2:4の分割可倒式になった後席の背もたれを倒すことができます。しかも、わざわざクルマの横に回ってリアシートに手を伸ばさなくても、テールゲート内のスイッチを押すだけで…、バタン! と背もたれを倒せるんです。

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ちなみに、荷室のフロア下には、深さが12〜24cmの収納スペースが用意されていますが、形状が複雑なのと、一枚板のフロアボードを開け閉めするのがけっこう難儀なので(フロアカバーなどが敷かれているとなおさら)、こちらはあまり使わない、洗車用具などを入れておくといいでしょう。

両手がふさがっている時にリアバンパーの下に足先を入れると、センサーが感知してテールゲートを自動で開けてくれる“ハンズフリーアクセス”は、残念ながらC180ステーションワゴンには装備されません(オプション設定もなし)。

高級ワゴンの証(?)として「どうしても付いてなきゃイヤ!」という方は、より上級のグレード、例えばC200ステーションワゴン スポーツ(本革仕様/654万円)などをお選びください。

 ■“テンロク”なの?といぶかしく思える力強さ

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