焚き火は対流と輻射熱を味方につけて!野営スタイルの冬キャンプを快適に過ごす方法

■対流と輻射熱を味方につけよう!

皆さんご存知だと思いますが、熱の伝わり方には、熱伝導、対流、輻射熱の3種類があります。

それぞれ簡単に説明すると、熱伝導は、熱が高温部分から定温部分へと移動して伝わること。例えば、お鍋を火にかけると、底に火が当たります。でも火が直接当ってない部分の蓋も一定時間経つと熱くなりますよね。これは熱伝導によるものです。

対流は、気体や液体などの流れによって熱が運ばれること。エアコンはまさにこの原理で暖かい、または冷たい空気を部屋に流し込んで、全体を暖めたり、冷やしたりします。

輻射熱は、温度の高い物体から低い物体へ電磁波によって伝わる熱のことで、物体の中の方まで届くのが特徴といわれています。

焚き火ではこの熱の伝わる仕組み、主にこの輻射熱と対流とを利用すると、あったかキャンプができるのです。

つまり、焚き火にあたって暖かいと感じる部分、焚き火に正対していれば、体の正面が暖かいと感じるはず。でも背中は寒い。こんなことってありますよね? この焚き火にあたって暖かいと感じている部分は輻射熱によるもの。こんな風に捉えていただければ大丈夫かと思います。

でも背中は寒いじゃない? と思われた方、安心してください。これから、対流を使って、居住空間を焚き火で暖める方法を紹介します!

■焚き火周辺の暖かい空気をできるだけ閉じ込める

対流と輻射熱の話をしましたが、これを上手く活用する方法は3つ。焚き火を中心に考え、幕の配置の仕方、リフレクターの置き方、タープの張り方を整えることです。

幕の配置ですが、焚き火の四方を囲ってしまえば、焚き火で暖められた空気が逃げにくくなります。ソロキャンプの場合は、幕、自分、焚き火、リフレクターという順で設営すれば、自分と反対側の焚き火の温度を逃さないようになり、対流が生まれるわけです。

ただし、ポリエステルやナイロン生地の化繊テントは燃えやすいので焚き火の近くに張るのはNG。コットン100%やTCといわれる、コットンとポリエステル混合などの素材でできた幕を使いましょう。ちなみに軍幕はコットン100%の場合がほとんどです。

焚き火は四方八方、なんなら上部にも輻射熱を発散して行きます。リフレクターや他の中間の幕があることで、熱い空気が逃げないようになり、焚き火の輻射熱で直接暖まれて、さらに、幕やリフレクターで暖かい空気が逃げないように対流すれば、石油ストーブなどを焚かなくても、だいぶ暖かく過ごすことができます。

上の写真は木でリフレクターを作ってますが、布でもいいと思います。以前、この焚き火を囲った幕の外と中の温度を測り比べたことがあるのですが、5〜8℃くらいは違いました。風の流入にもよるので、幕同士の隙間を埋めるために、陣幕のように張っても良いでしょう。

暖かい空気の対流をより効果的にさせるために、居住空間の上に幕やタープを張るのもいい方法です。

このように幕を自分の頭の上に被さるように張り、焚き火の真上だけ煙が逃げるように隙間を開けると、快適です。

軍幕ではなくタープでもいいのですが、化繊のタープの場合は、焚き火から180cm以上は離して張らないと、火の粉が飛んで穴が開きます。上部にタープを張る場合は焚き火の真上に張るのではなく、焚き火の煙の逃げ道を作る意味で、真上は空間を作るような配置がベター。

煙の逃げ道がないと、全体が煙くなってしまうので、気をつけましょう。

いかがでしたでしょうか? 焚き火で直に暖まるだけでなく、空間を上手に暖め、快適に過ごして下さい。これからの冬シーズン、最高のキャンプを楽しみましょう!

昨今、焚き火の不始末で山火事になったり、焚き火跡を片付けないことでキャンプ場が閉鎖になったりと、大きな被害をもたらすケースが増えてきています。火を扱うのですから、周りに燃えやすいものは置かない。撤収する際は完全消化する。炭化した炭は自然に帰りませんので、燃やし尽くすか、持ち帰って処分するなどを徹底しましょう。

(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

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