[再現!文学ごはん]池波正太郎『剣客商売六 新妻』の「鴨入り卵かけご飯」

剣客商売は、飄々とした剣の達人・秋山小兵衛と、真面目一本やりの偉丈夫・秋山大治郎の剣客親子を中心に巻き起こる事件や、江戸の人々の暮らしが生き生きと描写された人気シリーズ。

この剣客商売シリーズの中で、一部のファンから超アツい支持を受けるのが、大治郎と男装の麗人・佐々木三冬のカップルです。

6巻目の『新妻』は、このカップルが心を通わせ初々しい夫婦となる時期が描かれ、なんだかとってもラヴで胸キュンな巻でもあります。

鴨を入れた卵かけご飯は、まだまだぎこちない若夫婦が協力して作る簡単な晩御飯。小説には作り方も詳細に記されています。

鴨の肉へ塩を振り、鉄鍋で煎りつけてから、これを薄く小さく切り分けている

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鉄のフライパンに油は引かず、鴨の皮目からゆっくりと焼きました。

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卵を五つほど割り入れ、醤油と酒を少々振り込み、中へ煎鴨の肉を入れてかき混ぜておき

(1人用ということで、卵2つで作ります)

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これを熱い飯の上から、たっぷりとかけ回して食べる

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ああああ! うんまい。

もちろんうんまいです。

よく焼き付けた鴨の脂が香ばしく、卵のふくよかさや甘みが何倍にも感じられます。醤油のコクも心地よく、ぜひ炊き立てご飯で食べたい最強TKGです。いやKTKG。鴨卵かけ御飯。

>> 池波正太郎『剣客商売六 新妻』(新潮社)

 


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(取材・文/くぼきひろこ

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くぼきひろこ/ライター

美食・カルチャー・ライフスタイル・クルマ・ゴルフ・巷の美女etc……対象は様々に、雑誌・ウェブサイト等の各種媒体にて活動中のフリーライター。「人の仕事のすべて。そして、その仕事から生み出されるすべてのモノゴトが面白い!」と津々浦々の興味津々で取材・執筆を行う。

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