みかん箱60個が余裕!? ダイハツ「e-アトレー」が軽商用EVの“鑑”と呼べる圧倒的な積載力と走り

■みかん箱60個以上積めそうな広い荷室

このモデルに乗って、まず感心したのは、荷室の広さ。このクルマの最大の特徴であります。

データ的にいうと、最大積載量300kgで、みかん箱だと5kg箱(370×260×140mm)が、60個以上積めそう。

e-ハイゼットカーゴで、350kgの荷室にみかん箱68個とされているので、それを参考にしました。

実際、ほんとに広い。日本の働くクルマの鑑(かがみ)のような設計なのです。

後席シートは簡単にフォルドダウン可能なので、そうなると使い勝手はかなり高そうです。

東海や北陸などに多い中京間(ちゅうきょうま)畳(182×91cm)だって搭載可能というのだから(e-アトレーではギリギリサイズですけど)、使い勝手のよさは推して知るべし、ですね。

EVだと往々にして床が高くなったりで、荷室容量が犠牲になるけど、そうなっていません。

容量36.6kWhの駆動用バッテリーと、「e Axle」なるパワートレインを床下に最適配置することができたから(荷室は広い)、とはメーカーの弁。

走りは、バッテリー駆動のよさがしっかり味わえます。

最高出力は47kW、最大トルクは126Nm。数値では控えめですが、1.3トンの車体には十分、と感じられるのです。

発進加速がよく、そこから速度を上げていくときも、無理している感じとは無縁。

ほとんど音もなしに、加速していくのは、ガソリンエンジンのアトレーしか知らなかった身には、シュールな感じです。

みかん箱を60個積んだらどうなるか。それが言えないのが、残念なのですが、動力としてバッテリーは、荷室にものを積んで走りまわるこのクルマによく合っていると感じられました。

メインの駆動輪である後輪の上にパワートレインを載せているのも、設計者のこだわり。

「多積載時や登坂時でも、後輪駆動の高いグリップ力による力強い発進とスムーズな加速を実現」とうたわれます。

前輪駆動方式だと、リアに重量物を載せた際に、前輪が浮き上がりぎみになって、トラクション(駆動トルク)がしっかり伝わらない、というケースを回避するための設計ですね。

コマーシャルバン(商用車)だと、往々にして乗り心地が硬めで、空荷だと特に、路面が少しでも荒れているとポンポンッと跳ねる傾向にあります。e-アトレーはしかし、意外なほどしっとり感じられます。

先に触れたように、駆動用バッテリーのため車重が1.3トン(ガソリンのアトレーは1トン前後)あるせいでしょうか。「乗り心地向上」のため、リアサスペンションは新設計です。

乗用として使われる前提のe-アトレーにおいては、上手なサスペンションセッティングです。

もうひとつ、e-アトレーの特徴として、室内の使い勝手のよさが挙げられます。

「ユースフルナット」を16カ所(e-アトレー)に設けて、荷室の使い勝手を拡張。アッパートレイやオーバーヘッドシェルフも用意されているし、社外品も豊富です。

そもそもアトレー用にキャンプ用品は多く販売されていて、e-アトレーでも、例えばハードカーゴ社が販売しているキャリアなどを選べるでしょう。

e-アトレーRSの価格は346万5000円。ガソリンエンジンのアトレーRSは176万円からなので、価格差があります。

ただし、国のCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)が58万円程度受けられるはず。それを考慮に入れると、いっそう魅力が増すのでした。

Daihatsu e-Atrai RS
全長×全幅×全高:3395×1475×1890mm
ホイールベース:2450mm
車重:1300kg
動力:電気モーター
駆動:後輪駆動
最高出力:47kW
最大トルク:126Nm
一充電走行距離:257km
価格:346万5000円〜

<写真と文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

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