■日帰り〜1泊キャンプの装備
▲パーゴワークスの「ZENN 45」
――まずは日帰り〜1泊程度のキャンプに行く時の装備を教えてください。
徒歩や自転車などの場合は、大体バックパック一つですね。普段使ってるのはパーゴワークスの「ZENN 45」。容量は本体が40L、背面に5Lのデタッチャブルポケットが付いてます。
モジュール型になってて、ハーネスなど主要なパーツが付け替えできるのが特徴。例えば、デタッチャブルポケットを外して、これにハーネスを取り付ければ小型のバックパックになったり、背面内部のパッドを抜けばマット代わりに使えたりと、とにかく自由度が高い。
開口部も広くて、サイドジッパーを下ろすと思いっきりガバッと広がるんで、パッキングしやすく取り出しやすいのも最高ですよ。
――実際にその中に詰めるギアは?
今日、準備してきたのは、主に下の通り。これらに加え、釣りやトレッキングなど、目的に応じた道具を携行するイメージです。
●空間
・シェルター(パーゴワークス「ZENN DOME SHELTER」)
・タープ(パーゴワークス)
・エアマット(ニーモ)
・シュラフ(OMM)
●調理
・クッカー(パーゴワークス「TRAILPOT S900」)
・ストーブ(SOTO「アミカス」)
・焚火台(テンマクデザイン「男前ファイアグリル」)
・グリルプレート(テンマクデザイン「男前グリルプレート」)
・ナイフ(テンマクデザイン「キャンプホリックミニ」)
・折り畳みクーラーボックス(アソビトギア)
・カトラリー類
●その他
・完全防水ポーチ(ナイトアイズ)にお風呂・洗面用具
・トイレットペーパーホルダー(シートゥーサミット)
・トイレットペーパー(モンベル)
・チタン製スコップ(ミゾー)
▲左手前の黄色のパックがニーモのエアマット
――必要最小限とはいえ結構ありますね。パッキングのコツはありますか?
当たり前ですが、詰め方次第で全体の重量が減ることはありません。いちばん変わるのは容積、つまりバックパックの中身の空間です。となると、何を削り、どんな道具にお金をかけて余剰空間を確保するかの吟味が大切になってきます。僕の場合、1泊ならテントは持たず、シェルターとタープで済ませることが多いですね。
あと、軽ければ何でも良いというわけでもない。例えば、寝床を確保するエアマットはニーモのエア式のものを愛用していて、これは軽量で畳むと手のひらサイズ。とても良いんですが、エア式なのでパンクのリスクが常にある。穴が開けばマットとしての機能はゼロになっちゃいます。だから僕はいつも「ZENN 45」の背面パッドを一枚下に敷きます。これがあるだけでパンクへの保険になり、かつ底冷えを確実に防いでくれるんですよね。
つまり、ギア単体ではなく、全体を見て、いかに自分にとって効率的なシステムとして完結させられるか。これがパッキングのポイントかもしれませんね。
――キャンプにおいて重要な「食」を司る道具類はいかがでしょう?
ストーブはSOTOのコンパクトストーブ「アミカス」。もし地方に飛行機で行くときや長旅の場合は、同じSOTOの「レギュレーターストーブ ST-310」一択。どこでも手に入るCB缶(カセットボンベ)が使えるので最強です。
クッカーはパーゴワークスのもの。用途に応じて大と小を使い分けてます。このクッカーの中に、ちょうど「アミカス」が収まるので、かさばらないのも良いんですよね。
あとは僕が監修した焚火台「男前ファイアグリル」。自分で言うのもなんですが、これは良いですよ。A5くらいのサイズで、ワンタッチで広げてすぐ使える。僕はこれに波形構造の「男前グリルプレート」を組み合わせて使います。これで肉を焼くとマジで旨いのでオススメです。

▲超コンパクトな焚火台「男前ファイアグリル」
――A-sukeさんといえば、自作するほどナイフへのこだわりが強いことで有名ですが、オススメはありますか?
軽量キャンプのときに連れて行くのは、「キャンプホリックミニ」というナイフ。これも僕が監修した一本ですが、最大の特徴は日本古来の「片刃」、つまり和包丁と同じ構造にしてあること。
片面がフラットで、もう片面にだけ角度がついているので、まな板の上で食材を切る際に真っ直ぐ刃が入り、とても切りやすい。しかし厚みはしっかりあるから、木を削ったりするのもお手の物。キッチンとブッシュを地続きにする、日本のキャンプに最適なナイフです。
■車移動で複数泊のキャンプの装備
▲シムスのトートバッグ(左上)、テンマクデザイン「LALA」(右上)、ファイヤーサイドアウトドアの焚火台「ポップアップピット」(左下)、シマノのクーラーボックス(右下)
――では車での移動を想定した複数泊のキャンプの装備はいかがでしょう?
基本的には、シムスの完全防水のトートバッグ(約50L)、スプーンフルのトートバッグ(約55L)、シマノのクーラーボックス(約20L)。これらに必要なギアを詰めたり、入らないものは別に持って出かけるイメージですね。
●空間
・ドームテント(テンマクデザイン「LaLa」)
・タープ(ヒルバーグ)
・マット(サーマレスト「Zライトソル」)
・座椅子(クレイジークリーク)
●調理
・ストーブ(SOTO「レギュレーターストーブ ST-310」)
・焚火台(ファイヤーサイドアウトドア「ポップアップピット」)
・コッヘル(シグ)
・ホットサンドメーカー(VASTLAND)
・水筒(レボマックス)
・ナイフ(テンマクデザイン「キャンプホリックナイフ」)
●その他
・完全防水ポーチ(ナイトアイズ)にお風呂・洗面用具
・トイレットペーパーホルダー(シートゥーサミット)
・トイレットペーパー(モンベル)
・チタン製スコップ(ミゾー)

――基本的なギアは同じでも、やはり全体的にサイズが大きいものが増えますね。
やはり車に積めるとなると、快適性を追求できる分、そうなってきますね。小型のギアは総じて組み立てが煩雑だったりしますからね。パッと広げてすぐ使えて、使い終えたらサッと片付けたいじゃないですか。
そういう意味で言うと、アメリカのブランドですが、ファイヤーサイドアウトドアの焚火台は素晴らしいですよ。けっこうデカいですが、組み立てが超簡単。何より“直火感”があって、アメリカらしい骨太で大らかな雰囲気がたまりません。これがあるだけで気分が盛り上がりますね。
▲ファイヤーサイドアウトドアの焚火台「ポップアップピット」
あと、今回持ってきたもので珍しいのは、スイスのSIGG(シグ)というブランドのビンテージクッカー。内側がステンレス、外側がアルミニウムという二層構造。ステンレスは汚れ落ちが良くて衛生的な分、熱伝導率が悪く、一カ所だけ焦げやすい。一方でアルミは熱を均一に通す。この両者のいいとこ取りをしたクッカーです。焚き火でも使えて、ゴシゴシ洗える。道具は使い倒してこそ価値が出るものですからね。これは銘品です。
▲キャンプ道具について熱く語るA-sukeさん
――テントとタープはどんなものですか?
テントはテンマクデザインの「LaLa」という自立型3ポールの吊り下げ式テント。まず見た目が可愛いでしょ。設営もラクだし、丸窓を含め、4面すべてメッシュにできて、めちゃくちゃ気持ちいい。もちろんクローズにもできますよ。
タープはスウェーデンのヒルバーグのもの。これも張るのが簡単で、しかも張り姿が何とも言えず良いんですよね。
あとはクレイジークリークの座椅子は最高。どんなシーンでも、乾いた椅子に寄りかかってくつろげるのは非常にありがたいもの。ビーチや雪山、岩場など、足場が不安定なフィールドでは特に重宝します。
――最近、特にお気に入りのギアはありますか?
レボマックスというブランドの水筒。これ、最近めちゃくちゃ人に勧めまくってます。この水筒に出合ったことで、僕の水筒探しの旅が終わりました(笑)。
この水筒、フタを開ける時に、回す動作が必要なくて、フタについてる3つのボタンを指で挟むとワンタッチで取れるんです。これが、片手しか使えない状況や運転中に超ストレスフリー。例えばバックパックのカラビナに、水筒のフタの上部をつけておけば、片手でサッとドリンクが飲めたりもします。
▲レボマックスの水筒
しかもこの水筒、炭酸も持ち運べます。夏の猛暑の中、山頂でキンキンに冷えた炭酸飲料や、キャンプ場付近で調達したクラフトビールを楽しめます。カラバリもサイズもたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。
■キャンプ料理は下ごしらえが9割

――A-sukeさんは料理のプロでもありますが、キャンプでの調理でバタバタしないポイントなどありますか?
よく言われることですが、料理は家で9割方終わらせておくと、格段にラクですね。切る、煮込む、漬け込むは家でやって持ってくる。現場ではもう「焚き火やガスで仕上げをするだけ」の状態にしておくイメージです。
特に子ども連れの場合、モタモタしてるとぐずって大変なことになります(笑)。だから、僕は例えばマリネなど、調理のいらない冷菜を必ず事前に用意しておきます。なんならバゲットだけでもOK。何かつまむものをサッと出しておくだけで、ゆとりを持って焚き火の準備ができると思いますよ。
■BASE CAMPのキャンプ飯も旨い
▲「BASE CAMPカレー」1,100円
というわけで、A-sukeさんに料理も振る舞ってもらいました。
この日いただいたのは、牛すじをじっくり煮込んで作る名物の「BASE CAMPカレー」と、ダッチオーブンによる「鶏モモのローストとゴロゴロ野菜」。
牛すじの旨味が溶け込んだカレーは、まろやかさとスパイシーさのバランスが絶妙。また、鶏モモと野菜も、ダッチオーブンならではの焼き上がりで、鶏肉はジューシーで野菜もホクホクで甘い! 次回のキャンプでマネしてみたい、と思えるおいしさでした。

▲「鶏モモのローストとゴロゴロ野菜」2,200円
■最高の道具でキャンプを楽しもう
▲木のぬくもりが感じられる「BASE CAMP」の店内。A-sukeさんが監修したナイフを始め、便利なキャンプギアも販売されている
A-sukeさんのキャンプ装備には、無骨な伝統的道具への敬意と、現代のテクノロジーへの期待が複雑に入り混じっています。
「ハイテク装備に頼りながらも、そこにちょっと不便でも気分がアガるビンテージを混ぜたり。キャンプの楽しみ方は自由です。自分の中のバランスを見つけて、自分なりの快適性を追求するのが一番。そうすれば、いつものキャンプ場の風景が、自分だけの特別なフィールドになると思いますよ」
A-sukeさんの道具哲学に触れるなら、まずは水道橋のお店でこだわりのキャンプ料理に舌鼓を打ちながら、直接ご本人と話してみるのが一番の近道かも? ぜひ行ってみてください!
<写真/橋本真美 取材・文/田代智久>
BASE CAMP
住所:東京都千代田区神田三崎町2-22-8 梨本ビル 1F
TEL:03-5213-4884
営業時間: 11:30〜14:00(13時半L.O.)、17:00〜23:30(料理22時半L.O.、ドリンク23時L.O.)
※月・金は夜営業のみ
定休日:土日祝
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