【マツダ デミオ ノーブルクリムゾン試乗】真っ赤な“千鳥格子”のシートがオシャレ過ぎる!

■個性的な輸入コンパクトカーと並べても気後れしない

デミオをはじめ、近年のマツダ車を眺めていて何より「上手いなぁ」と感じるのは、内外装コーティネートの巧みさでしょうか。今回のノーブルクリムゾンも、デミオらしい品の良さはそのままに、鮮やかさと華やかさをプラスした1台に仕立てられています。

ベース車は、ガソリン仕様が「13Sツーリング」、ディーゼル仕様が「XDツーリング」の6速ATモデルで、ともにFFと4WDを設定。そこに特別装備として「専用インテリアコーディネーション(レッドシートファブリック/ホワイト内装)」、「エアコンルーバーレッドメタリック」、「CD/DVDプレイヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)」、「高輝度塗装アルミホイール(ガソリン車15インチ/ディーゼル車16インチ)」がプラスされています。

中でも目を引くのは、モデル名にもなった深紅(クリムゾン)のシート生地。この深みのある紅色はシートクロスとして表現するのが難しく、カラー&トリムデザイナーは試行錯誤を繰り返したとのこと。さらに、布地が単調に見えないようにするとともに、上質さを表現すべく、千鳥格子のパターンを織り込んだものを採用しています。

一方、ドアトリムやインパネのデコレーションパネルにはホワイトがあしらわれており、シートと鮮明なコントラストを描きます。このデコレーションパネルをじっくり観察すると、表面には千鳥格子柄のシボが与えられており、シート柄との統一を図るという工夫が。細部に至るまで、色や質感へのこだわりが感じられます。

組み合わされるボディカラーは、ソウルレッドクリスタルメタリックやマシーングレーといった、近年のマツダ“イチ押しカラー”のほかに、専用色として、陶器のような透明感のある輝きを放つセラミックメタリックを用意。鮮明なホワイトにも、淡いグレーにも映るこのセラミックメタリックは、光線の具合によって表情を変えるのが特徴で、日差しの下ではハイライトがキリッと輝きます。また、キラリと光る高輝度塗装アルミホイールとの相性もよく、クルマ全体をよりエレガントに演出してくれます。

元々、デザインや質感への評価が高いデミオですが、ノーブルクリムゾンの上品な装いは、おしゃれな街へのお出掛けでも、個性派ぞろいの輸入コンパクトと並んでも、気後れすることはなさそうです。

内外装において進化を重ねるデミオですが、先の商品改良では安全装備の充実も図られました。ブレーキを自動制御して衝突回避をサポートする“SCBS(スマート・シティ・ブレーキ・サポート)”の作動範囲が4~30km/hから、対車両約4~80km/h・対歩行者約10~80km/hに対応した“アドバンストSCBS”へとグレードアップしたのはその一例。さらに、車線逸脱警報システムやハイビーム・コントロール・システム、リアパーキングセンサーなども標準装備となりました。

加えて、4個のカメラを活用した360度ビューモニターやフロントパーキングセンサーもオプションとして設定(一部グレードを除く)。より高度な安全性を手にしたのも注目すべき点といえるでしょう。

さて、コンパクトカーという枠にとらわれることなく、存在感のあるたたずまいや充実した装備など、その魅力に磨きを掛け続けるデミオ。ノーブルクリムゾンのように、ちょっと気取った特別仕様車を設定しても全体のバランスが破綻しないのは、やはり素地がいいからだと思うのです。

例えば、デニムパンツにシャツという定番の組み合わせをベースにしても、スニーカーか革靴か、はたまた、ダウンかジャケットを選ぶのかで、その印象はカジュアルにも、セミフォーマルにも変わります。例えるなら、標準モデルのデミオは“キレイ目カジュアル”の雰囲気で、ノーブルクリムゾンは個性的だけど、ちょっと着合いを入れた“スマートカジュアル”という感じでしょうか。腰履きのスウェットだと、何を履いても、羽織っても、あまりカッコ良くは見えませんからね。

ともあれ「ノーブルクリムゾンのコーティネート、いいじゃない!」という人にとっては、愛着を持って接することができる、お気に入りの1着、いや、1台になると思います。

<SPECIFICATIONS>
☆XD ノーブルクリムゾン(2WD)
ボディサイズ:L4060×W1695×H1525mm
駆動方式:FF
エンジン:1498cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
トランスミッション:6AT
最高出力:105馬力/4000回転
最大トルク:25.5kg-m/1500~2500回転
価格:205万7400円

(文&写真/村田尚之)


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