【MINIクラブマン試乗】オシャレだけど使えるワゴンに。切れ味のいい走りは健在!

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2種類のラインナップのうち、今回ドライブしたのは4気筒ターボを積むクーパーS。注目の3気筒モデルに関しては後日、報告させていただきます。

8年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたMINIクラブマン。ドアを開け閉めすると「バスッ!」と、まるでBMWの高級サルーン(!?)のような音がします。

ボディサイズは、全長4270×全幅1800×全高1470mm。先代より290mm長く、115mm幅広くなりました。

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BMW・MINIでは、「プレミアムスモールコンパクトからプレミアムコンパクトへ」進化したといってますが、新しいクラブマンのフットプリントには、トヨタの商用バン「プロボックス」がすっぽり入ります。4ドア化の背景には、開口部の大きい観音開きでは、さすがにボディ剛性に不満が出る、との判断があったのでしょう。

一方で全高は、プロボックスより55mm低い1470mm。ここに“プレミアム”な秘密があって、BMW・MINIは“シューティング・ブレーク コンセプト”と呼んでいます。このフレーズ、そういえばメルセデス・ベンツ「CLA」のワゴン版でも聞いた覚えがありますが、要は「実用一点張りの凡百ワゴンとは違いますよ!」といいたいわけです。

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シューティングブレークとは、ハンティング用の銃と弾薬を積むための、必要最小限の荷室を持ったワゴンのこと。そのほか、狩りに必要な諸々のモノは使用人がバンで運んでくる、という寸法です。

といっても、新型クラブマンは「実質、ふたり用のワゴンボディを持ったスポーティモデル」というわけではありません。リアシートに座ってみると、意外なほど実用的です。四角いボディ断面が奏功しているんですね。

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いざステアリングホイールを握って走り始めれば、MINIとかプレミアムといった枕詞を付けなくとも、ごく“普通に”スポーティです。

走行モードは“GREEN”“MID”“SPORT”の3種類が用意され、通常は前2種類のいずれかでいいでしょう。細かいカーブが続く峠にさしかかったなら、まよわずSPORTにします。

SPORTを選ぶと、センターコンソールのディスプレイに「最高のゴーカートフィーリング」と表示されるのはご愛敬。クーパーS クラブマンは、自分の手足がタイヤに直結しているかのような一体感を持って、走りを楽しむことができます。

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たしかに「最高のゴーカートフィーリング」ではありますが、デビュー当初のMINIに色濃かった“ロールを極力抑え、クイックなステアリングでミズスマシのように左右に曲がっていく…」というフィールはずいぶん薄まりました。ボディサイズの拡大と、1470kgという車重が、クラブマンの走りをやや穏やかにしているのでしょう。

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実際に試乗してみて感じたのですが、後方視界は、リアガラスの天地が薄いため良好とはいいかねます。BMW・MINIは、新型クラブマンをファミリーカーとしても売り出したいようですが、同車の購入を検討している方々は、リアシートに子供や人を乗せる頻度と、彼らの座高を考慮に入れておいた方がいいかもしれません。

一方、例えば「子供も乗せられる」という条件付きでスポーティかつスタイリッシュなワゴンを手に入れたいアナタには、新型クラブマン、とってもオススメですよ!

<SPECIFICATIONS>
☆クーパーS クラブマン384万円
ボディサイズ:L4270×W1800×H1470mm
車重:1470kg
駆動方式:FF
エンジン:1998cc 直列4気筒DOHC ターボ
トランスミッション:8速AT
最高出力:192馬力/5000回転
最大トルク:28.6kg-m/1250〜4600回転
価格:384万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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