長っ! 焚き火達人がプロデュースした90cmのロングペグで何ができるか試してみた

最大の違いはこのフック部分。

設営用のペグであれば、張り綱を引っかけるためのフックは下側だけに出っ張っているのですが、「マルチロングペグ」のフックは上下に飛び出しています。そのため、写真のようにモノを載せる、引っかけるのもお手の物。

さらにフックには大小3つの穴があいていて、小さい穴はロープ、大きな穴は別の「マルチロングペグ」が通る太さになっています。

フックにモノを載せる、穴に丸棒を通すなんてことなら工事現場でみられる“ロープ止め”でも代用できそうな気がしますが、ロープ止めの場合、輪っかが大きくて組み合わせても大きくブレる。

「マルチロングペグ」はこのフックこそが“マルチ”のキモなんです。

 

■どんなことができる?

「マルチロングペグ」5本セットでどんな風に組み合わせられるか試してみました。

▲1本でギアハンガーやサイドテーブル

1本だけならこのとおり。省スペースで収まるギアハンガーの完成です。

少し斜めに地面に打ち込んでランタンなんかをかけておくのに重宝するし、小穴にS字フックを通してグローブやトング、虫よけスプレーなどこまめに手に取りたいモノを吊すこともできますね。手持ちの板に「マルチロングペグ」が通る穴を開ければ、サイドテーブルにもなります。

タキビズムが目指したのは“ほかにはないトライポッド”ですから、当然3本組み合わせてトライポッドを作れます。

▲3本でトライポッド

写真は、ケトルやランタンを吊すためのチェーンが長く、チェーンでまとめているように見えますが、3本の「マルチロングペグ」をまとめているのはひとつのカラビナ。
フックの大穴にカラビナを通してまとめるだけなので準備は簡単です。三角に折った布を各「マルチロングペグ」に結びつけて棚を作ってもいいですね。

▲4本で薪スタンド

いい感じに開くよう、地面に打ち込むにはちょっとコツが必要ですが、重い薪だって難なく受け止めてくれます。


薪スタンドの上にタキビズム「ジカビ」が載る! 立ったまま焚き火を囲むのにちょうどいいし、薪が湿気ってしまったときはこんな風にして乾かしてもいいかも。

▲5本なら重いモノを吊せる。片側1本、または両側1本にして地面に打ち込んでもいい

5本使いなら安定感抜群のギアハンガーになります。4本の足は軽く地面に潜らせるだけでいいので準備は簡単。

ランタンハンガーもほしいときは、片側または両側を1本にして地面にしっかり埋めれば少ない本数でも安定感を得られます。

▲ギアハンガーとトライポッドのコンビ

こちらはカラビナのかわりに「マルチロングペグ」を通してトライポッドを作り、その端を別の1本で支えた構造。焚き火まわりのギア整理に役立ちます。

両側2本のギアハンガーでも焚き火に使えますが、片側をトライポッドにするほうが“らしさ”があります。

写真ではハンガー部分を広くするため、1本足を焚き火台からできるだけ遠くなるようにしていますが、焚き火台に近づけておいて焚き火台の両側にハンガーを作ってもいいかも。

また、ケトルを下げているチェーンをトライポッドではなく、ハンガー部分に通しておけば、横移動ができます。沸騰後にちょっとずらして保温、冷めすぎたら火にかけるなど自由自在なんですね。

「マルチロングペグ」は1本だけでも使えるけれど、3本あれば自由度は高まります。ただ、薪スタンドは薪バッグを併用するなど工夫が必要。

5本セットは1本分お得なので、すでに薪スタンドを持っていて焚き火台を載せない人は単品で1〜3本、それ以外はセット買いがいいのかも。

トライポッド開発時、開発者の寒川さんのもとに“車いすでは焚き火を楽しみづらい”という声が届いたそう。

そこでトライポッドであると同時に、焚き火台を浮かせられるよう考えられたのが「マルチロングペグ」。

4本で「ジカビ」を支えれば、立ったままでも車いすでも焚き火を楽しめるようになっています。真冬では足もとが寒くなりますが、そんなときは地面に別の焚き火台を置いて2階建てにすればよし。

「マルチロングペグ」は1本でも複数本でも使えるマルチツールで、フィールドやキャンプスタイルによって変えられて楽しみ方は無限大。やさしさも詰まっています。

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<取材・文/大森弘恵 撮影協力/アンプラージュインターナショナル>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

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