憧れのオーダーメイド・ロードバイクがこの価格!? パナソニックがハンドメイドで仕上げる「POS」とは

使用されているクロモリパイプはKAISEI(カイセイ)ブランドの「ULTIMA」という高グレードのもの。硬度を高める焼入れ処理が施されていて、軽量でありながら剛性の高い国産パイプです。フレーム単体での重量は2066g(550mmサイズ)となっています。

 

■文字通りハンドメイドで仕上げられている

「POS」のフレームは大阪府柏原市にあるパナソニックサイクルテックの本社工場で生産されています。今回見学させてもらった「POS」の生産ラインは非常にコンパクトで、工場というより“工房”と呼ぶのがふさわしい雰囲気。ラインと言ってもベルトコンベアーなどで流れてくるわけではなく、9人の職人さんによってハンドメイドで製造されています。

作業は基本的にクロモリのパイプを、前述のラグを使って接合していくもの。パイプとラグの接合には、“ろう付け”という手法が用いられ、パイプとラグの隙間に“ろう材”と呼ばれる金属を溶かして流し込んでいきます。細かい隙間にろう材を充填していく作業は見るからに手間がかかりそう。

文字通りの手組みで全てのパイプが組み上げられると、自転車のフレームのシルエットとなります。このフレームは丁寧に洗浄された後に塗装工程へ。塗装も1本ずつ職人の手作業で行われていて、その工程も見学することができました。

塗装ブース内で塗料が吹き付けられ、クロモリが剥き出しのフレームが徐々に色付いていく様子は、自転車好きなら心躍るものを感じることでしょう。特に印象的だったのが、鏡のような光沢感に仕上げられるミラーカラー。フレームの表面が鏡のように輝きを放つようになっていく様は圧巻でした。

「FRCD07」では、これまで限定カラー扱いだった“マーブルエフェクト”も選べるようになりました。このカラーは、ミラーカラーの上に手作業で独特のマーブル模様が描かれ、さらに表面を磨き込まれた上でクリア仕上げが施される大変手間がかかるもの。6万6000円(税込)のアップチャージが必要なカラーですが、その手間のかかり具合と、他に同じ模様が存在しない唯一無二の仕上がりとなることを考えると、リーズナブルに感じられました。

クロモリ製のオーダーフレームというと、フレームビルダーと呼ばれる小規模の工房も存在しますが、パナソニックは大衆向けモデルを生産する“マスプロメーカー”です。ただ、今回「POS」の工場を見学し、工房のようにハンドメイドで仕上げられていることには驚きました。それでいてリーズナブルな価格でフレームをオーダーできるのはマスプロメーカーならではのメリットです。

*  *  *

「POS」は1987年にスタートし、来年40周年を迎えます。その間には、競輪やオリンピックなどへの機材提供、世界選手権やツール・ド・フランスなどの競技でも輝かしい成績を収めてきました。実績に裏打ちされた信頼性も確立しているので、この価格で入手できるとなると、ちょっと貯金を始めてみようかという気分になってくる自転車乗りも少なくないのでは。

>> パナソニック オーダー システム

<取材・文/増谷茂樹>

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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