■今のトレンドは「内部洗浄機能搭載モデル」
急速に拡大したコロナウイルスの影響で、いま室内の空気環境を気にしている人も多いだろう。そんなニーズにマッチしたエアコンが、最近増えている。内部洗浄機能や空気清浄機能などを搭載し、きれいな空気にこだわったモデルだ。各メーカーが力を入れる背景には「エアコン自体の特性も影響している」と家電プロレビュアー石井和美さんは語る。
「エアコン内部は汚れがつきやすく、カビが繁殖しやすい条件となっています。熱交換器や送風ファンはエアコンから出てくる風が直接当たる場所のため、そこにカビが生えると空気中にカビをばらまいてしまうこともあります。ですから内部をキレイに保つことが大前提となり、汚れが付きにくく、掃除がしやすい、そして内部洗浄機能がついたモデルが最近のトレンドです。その上でPM2.5などが取り除ける空気清浄機能搭載のエアコンも登場しています」
もちろん基本機能である空調も、各社が独自のセンシング技術や送風制御技術を用いて、より快適な風を実現。温度も空気もお任せと良いこと尽くめのようだが、便利な機能を適切に使うにはメンテナンスも大切だ。
「空気清浄機能が搭載されているとはいえ、手入れを定期的にしなければならないのは空気清浄機と同じです。取扱説明書の通り、定期的に細かいところの掃除を行ってください」
定期的なメンテナンスを行うことは、室内の空気をきれいに保ち、健康的な環境を作ることにも役立つのだ。
1. エアコン内部と部屋のカビをしっかり抑制
パナソニック
「ルームエアコン エオリアXシリーズ」（実勢価格：24万円前後）
室温や空気の汚れに応じて自動で動く、高性能フィルターを搭載。PM2.5や花粉などをキャッチしてくれます（石井さん）
内部に高濃度のナノイー Xを充満させ、清潔な状態を保つ機能を搭載。AIによるお任せ運転機能も進化。季節や室内外温度などに加えて、住宅環境や気象情報、生活パターンも分析し、快適性と省エネを考えて運転するモードを備える。
▼これで空気がきれいに！
▲OHラジカル量が増した高濃度のナノイーXで空気中の汚れを抑制。微細な汚れをキャッチするフィルターも搭載
▲運転を終了するたびにナノイーXをはじめ複数の機能で、内部を自動で掃除。カビの発生をしっかり抑制してくれる
▼注目の便利機能
▲無線LANを搭載し、外出先からスマホアプリで電源のオン／オフが可能。空気の状態や使用電気量も確認できる
2. 高精度＆パワフルな空気清浄力を実現
シャープ
「プラズマクラスター エアコン Airest」（実勢価格:22万円前後）
初めて集塵脱臭フィルターを吸い込み口全面に搭載。空気清浄機を置く必要がないくらい空気をきれいにします（石井さん）
吸い込み口を集じん脱臭フィルターで覆った新構造を採用することで、空気清浄機の業界基準をクリア。5万個／cm³までイオン濃度を高めたプラズマクラスターNEXTも搭載する。上下両開きロングパネルで、冷暖房それぞれで快適な風を送る機能も備える。
▼これで空気がきれいに！
▲集塵脱臭フィルターと、空気清浄機と同じ仕組みのシロッコファンで強力な空気清浄を実現。8畳の空間を5分で清浄する
▲厚みのある集塵脱臭フィルターで吸い込み口全面を覆い、花粉やPM2.5、タバコなどの臭いまで丸ごと吸塵・脱臭する
▼注目の便利機能
▲AIoTクラウドサービスとの連携により、外気温や気象予報などから環境変化を予測し、先回りして省エネ運転を実現する
3. マイルドな風と使いやすさに注力
東芝
「大清快 F-DXシリーズ」（実勢価格：10万円前後）
花粉やホコリ、PM2.5など空気中の汚れを帯電・吸引し、自動で屋外に排出してくれるのでお手入れが楽です（石井さん）
空気中の汚れを帯電するプラズマ空清ユニットを搭載し、熱交換器に吸着させて素早く屋外に排出する。フィルター表面の埃や内部の汚れを自動で掃除する機能も搭載。冷房時には風を感じず涼しくできるなど、送風制御も優れる。
▼これで空気がきれいに！
▲空気清浄機能は単独運転もでき、花粉や埃、PM0.1まで除去。空気の質を検知するセンサーで自動運転する機能も備える
▼注目の便利機能
▲「フィルター自動お掃除機能」で溜まった埃は、掃除機と付属ノズルを使って吸引できる。ダストボックスを外す必要がなく簡単だ
4. 内部をきれいに保ち、AIで快適に
三菱電機
「霧ヶ峰 Zシリーズ」（実勢価格：23万円前後）
後フラップや前面パネルなども外せて、通風路の掃除も簡単。帯電ミストでカビ菌、花粉などを抑制・脱臭してくれます（石井さん）
AI技術と高解像度センサーを搭載した「ムーブアイmirA.I.＋（ミライプラス）」が気流を高精度に検知。部屋の間取りなどに応じて、風が人に届く最適なルートを自動調整する。汚れが付きにくいパーツやフィルターの自動掃除など、内部を清潔に保つ機能も充実。
▼これで空気がきれいに！
▲内部に帯電ミクロフィルターを搭載。花粉やPM2.5を帯電させてキャッチするほか、電気を帯びたミストで菌の抑制や脱臭を行う機能も備える
▼注目の便利機能
▲間取りや住宅性能だけでなく、人が感じる温冷感もセンサーで検知。人に合わせた気流制御も自動で行う
5. 温熱効果で内部のカビ菌を除去
富士通ゼネラル
「ノクリア Xシリーズ」（実勢価格:28万円前後）
運転中に洗浄し、停止後に加熱。独自の冷凍サイクル制御で熱交換器を加熱・除菌するので内部を清潔に保てます（石井さん）
ふたつのAIが室温や湿度、操作履歴に加えて、床温度の変化も学習。ユーザーの好みに応じた快適な空調を実現する。独自技術の熱効果気化熱除菌により、内部の熱交換器を55℃で10分加熱し、カビ菌や細菌を除去する機能も搭載。
▼これで空気がきれいに！
▲電気集塵方式の空気清浄機能を搭載。埃や花粉、カビ菌、PM2.5などをキャッチし、きれいな空気を送り出す
▲送風ファンには抗菌・防カビコーティングが施してあるほか、フィルターの自動掃除機能も備える
▼注目の便利機能
▲リモコンはBluetoothを採用した置き型タイプで、内蔵するセンサーで室内の温度や湿度の情報収集も行う
※2020年4月6日発売「GoodsPress」5月号掲載記事をもとに構成しています
［関連記事］
内部のカビに強くAI搭載で利口なエアコンです
冷風機じゃない！空調メーカー・ダイキンがガチで作った持ち運べるエアコン
取材・文／高橋 智
- 1
- 2
