【MINI試乗】最新ディーゼル乗り比べ。3気筒と4気筒、エライのはどっち?

先述したように、クーパーD 5ドアが積むクリーンディーゼルは、排気量1.5リッターの直列3気筒。運転席から眺める景色はいつものMINIそのものですが、走り出した瞬間から世界の違いを感じます。

MINI クーパーD 5ドア

「クーパー 5ドア」が搭載する1.5リッターの直列3気筒ガソリン直噴ターボも相当出来がいいのですが、3つの点において、完全にディーゼルがガソリンを超えているな、と思いました。

1:振動が少なくて静か
2:ガソリンターボを凌駕する強力なトルク
3:軽やかな吹け上がり

MINIの直列3気筒ガソリン直噴ターボは、発進した瞬間から力強く、エンジンを高回転域まで回さなくても十分にパワフル。3気筒にしては振動やノイズも巧く抑えられています。ガソリンにしてはノイジーだと感じることもありますが、ビートが効いていて、走って楽しいタイプのエンジンです。

まるで、ディーゼルとガソリンの良いところを、ターボを上手に使って手に入れた3気筒ガソリンですが、それを超えたのが3気筒ディーゼルだと申し上げたいのです。

MINI クーパーD 5ドア

ディーゼルの方が優れていると感じる第一の理由は、振動が少なくて静かなこと。それは意外にも、ガソリンより静かに感じられるほど。一般的に、圧縮比の高いディーゼルは効率が良い一方、振動や騒音が大きくなる傾向にあります。そういった一般論を退けて、この3気筒ディーゼルはお行儀が良いわけです。

第二の理由は、1.5リッターとは思えないほどトルクが強力なこと。3気筒ガソリンもトルクフル(22.4kg-m/1250〜4000回転)ですが、3気筒ディーゼルはそれを上回ります(27.5kg-m/1750〜2250回転)。約2割増し。しかも、アクセルペダルを踏むと、遅れることなくエンジンが反応するのでストレスも感じません。

第三の理由は、この3気筒ディーゼルは回転フィールが軽やか。6速ATをマニュアル感覚でシフトすると、最高出力の116馬力を発生する4000回転まで、加速を伴ってグイグイ回ります。

これで燃費は23.9km/L(JC08モード)と、3気筒ガソリンの18.3km/L(JC08モード)より約3割も良いのですから、もはやディーゼルを選ばない理由が見当たらないくらい。

そして、MINI 5ドアの走りには、ヤンチャな3ドアとはひと味違う、シットリとした落ち着きがあり、この頼もしいディーゼルとのマッチングも非常に良いと感じました。

MINI クーパーD 5ドア

ちなみに、クーパーD 5ドアの車両本体価格は318万円。ガソリンのクーパー 5ドアは298万円ですから、差額の20万円は十分に納得のいくものです。

MINI クーパーD 5ドア

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