SOLの耐火ブランケットは焚き火や火器の“まさか”に備えてもっているといいかも

■素材はグラスファイバー100%

「エマージェンシーファイヤーブランケット」は、火元にかぶせて酸素を遮断し、消火するためのブランケット。素材は、焚き火台に敷く“焚き火シート”や“スパッタシート”でも使われているグラスファイバーです。

グラスファイバーは、触れるとチクチクすることがあります。「エマージェンシーファイヤーブランケット」も、チクチクが気になる人は軍手をするほうがいいでしょう。

どこに置いても目立つ赤いケースに入っていて、カラビナで吊り下げられるようになっています。

底のほうには黒いベルトが飛び出していて、このベルトを引っ張るとブランケットが飛び出るという仕組み。

ファイヤーブランケットシリーズは3サイズありますが、スタンダードサイズの「エマージェンシーファイヤーブランケット」と、使い勝手のよさそうな「エマージェンシーファイヤーブランケット コンパクト」の2サイズを用意しました。

▲「エマージェンシーファイヤーブランケット コンパクト」は100×100cm

▲「エマージェンシーファイヤーブランケット」は120×180cm

スタンダードサイズは体をすっぽり覆う大きさ。緊急時はブランケットをかぶって逃げ出すといいそうで、自然発火による森林火災が多発するアメリカらしい設計といえます。

日本では森林火災との遭遇はめったにありませんが、キャンプだけでなく自宅キッチンに置いて備えておいて、いざというときに被って逃げるときに使えます。

ただ、スタンダードサイズを被って走ると裾がちょっと邪魔かも。コンパクトサイズがひとり分、スタンダードサイズは親子でいっしょに被るのにいいのかもしれません。

■慌てず行動するためのブランケット

空気を遮断して燃焼を抑える。理論としてはわかりますが、本当にこの布で焚き火を消火できるのでしょうか?

ベルトを引っ張って中のシートを取り出します。固定されたフックにカラビナを吊り下げておけば、力をかけやすく簡単に引き抜けます。

▲ビビってしまって炎は小さめですが、底には熾きがたっぷり

「エマージェンシーファイヤーブランケット コンパクト」で、焚き火台を丸ごと覆います。焚き火台の大きさは38×44×H22cmで、「エマージェンシーファイヤーブランケット コンパクト」をかぶせると地面まで隙間なく覆えました。

今回は“今から布をかける”とわかっているため、落ち着いてかぶせられますが、緊急時は放り投げるようにかぶせてズレる、焚き火台を倒してしまうなんてこともありそう。焚き火台ギリギリよりも一回り大きなサイズを選ぶほうがいいでしょう。

焚き火台にかぶせると表面から煙りが立ち上り、だんだん焦げ茶っぽくなってます。

落ち着いたように見えた5分後にブランケットをはずしてみたところ、炎はなく、くすぶっている状態。でも少ししてから再び炎がたちました。底の熾が生きていたのでしょう。

本来はかぶせたまま15分ほど放置し、その間に水を用意したり燃料類が近くにないか確認したり。コンロの場合は火を消したりするのが定石です。ブランケットが冷えてから取り外すのがいいそうです。

ちなみに、使用後の「エマージェンシーファイヤーブランケット コンパクト」は、茶色くなったところがパリパリで、2度目の利用は無理そう。中央部は茶色くなっていますが、縁は大丈夫っぽいので、小さくたたんで小型焚き火台の焚き火シートにしようと考えています。

今回は焚き火の消火を試してみましたが、燃料が漏れてバーナーやランタンに引火する、バーナーを倒して鍋の油に火が移るなんていう事故を目にします。「エマージェンシーファイヤーブランケット」シリーズは、これらの初期消火にも使えます。

「エマージェンシーファイヤーブランケット」シリーズは1回きりの使用なので割高に思えますが、消火器みたいに期限があるわけではなく、周囲を薬剤で汚すこともありません。水を大量に汲んでくる必要もなし。

状況によっては完全消火できない場合があるかもしれませんが、少なくとも落ち着いて対応する時間を稼げます。

この連休、キャンプで久々に焚き火をする人もいるでしょうが、春は風が強く、空気も乾燥していて、火災が起きやすい環境。万一に備えて「エマージェンシーファイヤーブランケット」を忍ばせてはいかがでしょう。

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<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

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