Apple Watchユーザーがガーミン「CIRQA(サーカ)」を使って感じた画面なしの付加価値とは

■毎日のウォーキングに最適

ワークアウトの測定機能も、徹底してシンプルです。本体側面にはボタンが1つだけ備わっていて、これを長押しすることで、あらかじめ設定しておいたワークアウトの測定をスタート・ストップできます。

本体側面のボタン

▲本体側面にボタンが1つだけある

筆者は、日課の散歩用に屋外ウォーキングを登録して使いました。と言っても“画面”がないもんですから、最初は「これで測定できているのだろうか…?」なんて探り探りでしたが、これも2〜3回やっていれば慣れます。

CIRQAを装着して屋外を歩いているイメージ

▲「よぅーし、今日も歩くぞ!」

流石のガーミンだけあって、測定項目は充実しています。一方で、デバイス上での体験はミニマルかつシンプルなので、語ることはそこまでありません。

例えば、測定する種目が1つに限られていて、毎日淡々とそれをこなすような人であれば、かなり相性は良いんじゃないか、そう感じました。

あと、使ってみて良かったのは、経過時間や移動速度、目標値(距離・時間)などに捉われずに、その日の気分でのびのびと景色を楽しめたこと。フォトウォークやファンランなどとの相性もよいと思います。

Garmin Connectアプリの画面例

▲「Garmin Connect」アプリの画面例。「ホーム」タブで「データカード」欄にある「すべて表示」をタップすると、各種項目を確認できる。具体的には「心拍」「週間運動量」「ステップ数」「消費カロリー」「トレーニングステータス」「トレーニングレディネス」「HRVステータス」「ストレスレベル」「フィットネス年齢」「VO2 Max」「体重」など。各項目の解説については、本稿の趣旨を超えるので今回は割愛させてもらう

一方で、ジョギングしてから、ウォーキングを挟んで、今日は雨だから室内でフィットネスゲームをして、張り切ってジムに行って…みたいに種目が分かれている人には、ちょっと不便かも。これは、異なる種目の測定を実行するのに、スマートフォンのアプリを開かなければいけないので、手間を感じる場面が増えるからです。

そう考えると、(1)ある程度スマートウォッチでのワークアウト測定に慣れていて、(2)最近のワークアウトはウォーキングまたはジョギング等に限定されている人、にこそ向いているのかもしれません。

つまり、ライトな運動をする人なのですが、これは“完全な初心者”という意味ではないんですよね。

どちらかというと「運動についての造詣は深いけど、それはヘルスケアやウェルネスの文脈であって、もう年齢的に無理はしたくない」みたいに、自分の運動に対するスタイルが定まっている人なのかなと思います。

 

■睡眠管理にはすごく良い

そして、CIRQAで一番実用的だと思うのが睡眠の分析です。

先述の通り、装着感が良いですし、画面の点灯や通知の連動がないのでモードの切り替えなどに煩わされにくい。バッテリー持ちも長いので(仕様表の表記だと約10日間)、充電管理の億劫さもありません。

測定したデータは「Garmin Connect」アプリから確認できます。同社の他製品を使ったことがある人には説明不要でしょうが、「睡眠スコア」の表示が端的で、さらに「睡眠コーチ」のタブで次に何を意識すべきかも明示してくれるのが分かりやすい。

例えば、今日の筆者は、「21:50〜22:10の間に寝るように」と具体的にアドバイスされています。

睡眠コーチ機能の画面イメージ

▲睡眠コーチの画面イメージ。…え? スマホの時刻表示が既に23:35だって? 気のせいですよ

睡眠測定機能の画面例

▲筆者がよく寝れた日の「睡眠スコア」(左、この画像には写っていないが、この日はスコア89/100だった)と「睡眠コーチ」(右)の画面例

また、起床用に振動のアラームを設定することも可能。普段Apple Watchを使っている筆者でも(※同シリーズは初代から振動がかなり心地よかったので)、不満のないバイブレーションで、しっかり起床できました。音が鳴らないので、家族を起こしたくないタイミングや、公共の場などでも重宝すると思います。

ボタン操作は、1度押しではスヌーズになり、長押しするとようやく停止できる仕様。要するに、寝ぼけながらボタンを押しても、スヌーズで起こされるので、早朝に起きなくてはならない日にも頼れます。

充電中のイメージ

▲ちなみに、充電は専用端子のケーブルをカチッと固定するスタイルだ

*  *  *

さて、「画面なしスマートバンド」というトレンドを振り返ると、おそらく海外のWHOOPというブランドが2021年に出した「WHOOP 4.0」が上流にある一つの節目。その後、2025年前後から競合が一気に類似製品をリリースしているという流れのなかにあるように思えます。

日本市場における代表的な製品を振り返っておくと、「Amazfit Helio Strap」(2025年6月発売)や、「POLAR Loop」(2025年11月クラウドファンディング、2026年1月発売)が先行していて、そこに大手の「Google Fitbit Air」(2026年5月発売)が加わりました。

そして、2026年8月にガーミンが満を持して「CIRQA Smart Band」を発売。デザインが洗練されていて、サブスク不要でも十分使えるという点で、後発ながらも最有力候補に挙がりやすいのは間違いないでしょう。

最後になりましたが、CIRQA Smart Bandの公式ストアでの販売価格は3万2800円(税込)。昨今、3〜4万円あればミドルレンジのスマートウォッチにも手が届くことを思えば、コスパ面に対してうんぬんかんぬん言うのではなく、あくまでも「画面をなくす」という設計思想の先にある付加価値に目を向けるべき端末だと思います。

時間と集中力を奪うデジタルガジェットに支配されず、それらから得られる恩恵だけをうけながら、一定の距離を保って、ヘルスケア・ウェルネスの管理に利用したい。そんな中・上級者にこそおすすめできる端末だと感じました。

>> Garmin

<取材・文/井上晃>

 

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