最新モデル・ジムニーノマドへの“道”!改めて知る「小さな車体の本格四駆」スズキ・ジムニー56年の変遷

■全車とも「乗用車」とした「軽自動車」3代目と2018年に復活した4代目

1998年の軽自動車規格改定により、同年登場した「軽自動車」3代目となったジムニー。全車が乗用車となり、より快適な乗り味を実現しました。外観も丸みを帯びたデザインへと変更され、インテリアの質感も格段にアップ。エアフィルター付エアコン、パワーステアリングを標準装備させ、より「乗りやすいジムニー」を実現しました。

▲1998年発売の3代目ジムニー(画像:スズキ)

 

▲2001年発売のジムニーJ2(画像:スズキ)

 

さらに、興味深いのが2001年登場のジムニーJ2。後輪駆動の2WDモデルで、女性ドライバーでも扱いやすい「新しいジムニー」を提案。

この他にも3代目ジムニーにはランドベンチャー(2009年)、クロスアドベンチャー(2010年)といった特別仕様車がラインナップされながら2018年までの20年間販売されました。

そして、3代目の生産終了と合わせて2018年に登場したのが、「軽自動車」4代目となるジムニーです。

▲2018年発売の4代目ジムニー(画像:スズキ)

 

ジムニーの従来のコンセプトに立ち返りつつも、さらなる進化を目指した画期的なモデルで、最新鋭の技術を投入し四駆性能を高めつつ、デザインは無骨でありながらもどこかオシャレな1台に生まれ変わりました。発売当時の若者のアウトドアブームなどの追い風と合わせて爆発的なヒットとなり、一時は生産が追いつかず「納車まで1年以上かかる」とも言われたモデルです。現在は、短納期になっていますが、長いジムニーの歴史の中でも特にセンセーショナルな登場だった1台です。

 

■実は1977年から存在する「小型車」ジムニーは年を追うごとに排気量がアップ!

 

ここからは今日のジムニーノマドへと続く「小型車」ジムニーシリーズを紹介します。

まず、「小型車クラス」として初登場となったのが1977年発売のジムニー8。797ccの4サイクルエンジンを搭載したモデルで、「軽自動車」ジムニーの走破性・安全性をさらに高めたモデルで、国内だけでなく海外でも絶大な支持を得ました。

▲1977年発売のジムニー8(画像:スズキ)

 

▲1982年発売のジムニー1000(画像:スズキ)

 

この構造をブラッシュアップさせ、さらに使いやすさとファッション性も高めたのが1982この構造をブラッシュアップさせ、さらに使いやすさとファッション性も高めたのが1982年登場の970ccモデル、ジムニー1000です。当初は海外のみの販売でしたが、後に国内仕様車も発売。

ハーフメタルドア、フルメタルドア、バン、ピックアップの4タイプをラインナップし、従来の「四駆志向」だけでない、広いユーザーを取り込もうとしていることがよくわかります。

一方、ジムニー1000と同年にはピックアップと呼ばれるストレッチモデルも発売。海外で人気が高かったトラックスタイルのモデルで、ジムニーの実用性の高さも引き続き証明することとなりました。

▲1982年発売のピックアップ(画像:スズキ)

 

▲1984年発売のジムニー1300(画像:スズキ)

 

▲1985年発売のパノラミックルーフワゴン(画像:スズキ)

 

続く1984年にはさらに排気量を1324ccにアップさせたジムニー1300を発売。1985年には、このジムニー1300をマイナーチェンジさせたパノラミックルーフワゴンを発売。いずれのモデルも、快適性・走破性双方をさらに高め、どことなくそれまでのジムニーシリーズから独り歩きし始めたようにも感じる仕様を搭載していました。

■一時消滅した「小型車」ジムニーが1993年に復活! 「シエラ」がクラスの代名詞に

 

ただし、このジムニー1300シリーズはセールス的に満足な結果を出せず、1988年に国内仕様車が生産終了に。

しばらく「小型車」ジムニーが消滅した数年間が続きますが、1993年にジムニー1300シエラとして見事復活。英語で「連峰、山脈」などを意味する「シエラ」は、オン・オフ双方の走破性を高めたモデルとしておおいに注目を集めました。

▲1992発売のジムニー1300シエラ(画像:スズキ)

 

▲1998発売のジムニーワイド(画像:スズキ)

 

そして、「軽自動車」ジムニーのフルモデルチェンジと合わせて1998年に発売となったのが1298ccのジムニーワイドです。「軽自動車」ジムニー同様、丸みを帯びたデザインへと変更された一方、新設計の3分割構造の高剛性ラダーフレームを採用。走行中に2WD、4WDの切り替えがワンタッチでできる「ドライブアクション4×4」といった斬新な機能も搭載し、オン・オフ双方の優れた走破性を実現しました。

このジムニーワイドのファーストモデルは2002年頃まで販売されますが、同年のフルモデルチェンジでは、再びあの「シエラ」の名を冠しての登場に。

▲2002発売のジムニー シエラ(画像:スズキ)

 

フロントフォグランプをマルチリフレクター式とし、またキーレスエントリーのアンサーバック機構にハザードランプ点灯式を採用するなど、当時の最新技術を各所に投影した1台でした。

そして、2018年、「軽自動車」ジムニーの4代目登場と合わせてジムニー シエラもフルモデルチェンジを果たします。

▲2018発売のジムニー シエラ(画像:スズキ)

 

2002年モデルのジムニー シエラよりも車体全長を50mm短縮しながら、全幅を45mm拡大させ、取り回しの良さと高速走行性の安定性の双方を実現させました。この「小型車」ジムニー シエラと、「軽自動車」ジムニー(4代目)は、スズキ初となるグッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)を受賞し、実際のユーザーではない人にも広く認知されることにもなりました。

■ジムニーシリーズの最新フラッグシップモデル、ジムニーノマド

▲2025発売のジムニーノマド(画像:スズキ)

 

そして、2025年に発売されたのがジムニーノマドです。

冒頭でも触れた通りの初の5ドアモデルで、ベースモデルのジムニー シエラに対して全長及びホイールベースを延長し、後席乗員の着座位置を後方に移動することで、ロングドライブでの快適性を高めました。

▲シリーズ初の5ドアモデルとして登場したジムニーノマド(画像:スズキ)

 

▲最新機能満載のコックピット(画像:スズキ)

 

▲後席乗員の着座位置を後方に移動させ、ロングドライブでの快適性を高めています(画像:スズキ)

 

こういった構成によりファミリー層のニーズを十分満たしながらも、ジムニーシリーズの最大の魅力である悪路走破性も維持。特長のラダーフレームを新作し、重量増加に対して必要な剛性を確保し、高い直進安定性と、操縦安定性を実現させたモデルです。

ベースモデルのジムニー シエラからさらに進化させたラダーフレーム(画像:スズキ)

 

▲坂道発進時にブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替える瞬間、一時的(最長約2秒間)作動するヒルホールドコントロール(画像:スズキ)

 

▲急な下り坂などでブレーキを自動制御させ、定速走行を実現させるヒルディセントコントロール(画像:スズキ)

今年7月発売のマイナーチェンジモデル(2型)は先進の安全装備、デュアルセンサーブレーキサポートII、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール(4AT車)などを新採用。

日常の運転や長距離ドライブの快適性と安全性をさらに高めたモデルとなっています。そのキャッチコピーは「行き先も、ルートも、天候も問わない。自由を楽しむ旅がはじまる」……このコピーそのままの、あらゆるニーズに呼応した1台だと筆者は考えています。

▲ジムニーシリーズは、これからの未来もまたあらゆる「道」を歩み続けてくれるはず(画像:スズキ)

ここまで、ジムニーシリーズの進化の変遷と、最新フラッグシップモデル・ジムニーノマドの細部を紹介しました。ここまでの通り、ジムニーシリーズは、いつの時代も初代で掲げたコンセプトを大切に守りながらも、あらゆるユーザーのニーズに応えようと常に進化を続けてきたことがよくわかります。

本格的な大型オフロード車では立ち入流ことができない狭い悪路にも悠々と走破し、一方のオンロードでは安定した走りも見せるジムニーシリーズ。最新フラッグシップモデル、ジムニーノマド以降の未来もまた、あらゆる「道」を歩み続けてくれることでしょう。

 

<取材・文/松田義人(deco)>

松田義人|編集プロダクション・deco代表。趣味は旅行、酒、料理(調理・食べる)、キャンプ、温泉、クルマ・バイクなど。クルマ・バイクはちょっと足りないような小型のものが好き。台湾に詳しく『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)をはじめ著書多数

 

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